教育福島0121号(1987年(S62)06月)-011page
(八) 町ぐるみによる青少年健全育成運動を高めでいくようにする。
以上のことを組織的に実践していくために「教科研究部」 「生活指導研究部」 「学級経営研究部」 「生徒活動研究部」 「地域連携研究部」の五研究部を設置し、具体的実践に取り組んだ。
(一) 教科研究部
わかる授業を展開することが生徒指導の最も重要な場面である。わかる授業を工夫することにより、基本的学習習慣も身につき、教師と生徒、生徒同士の望ましい人間関係も育っていく。
1)相互参観授業の実践
相互参観授業とは、教師がお互に業を見せ合い批正し合うことである。毎週各自二時間、参観してもらう時間を自主的に計画する。(資料1)
この実践により、教科や学年を越えて授業を見せ合い、学習訓練(資料2、3)を全校的な立場で進めたことは大きな成果であった。
また、それまでは見られたことであるが、教師によって授業態度を変えたり、時には授業をぬけ出す生徒がいなくなったことは大きな前進であつた。
2)基本的な学習訓練の徹底
教室の前面に「四つのきまり」「四つの約束」(資料2、3)を掲示して、これだけは全校に徹底させるよう取り組んだ。授業研究は、授業に不参加になりがちな生徒をどうするか、というテーマで取り組んだ。(資料4)また、忘れ物をなくし、学習用具の準備をきちんとさせるために「学習生活ノート」を学活時に活用させた。(資料5)
(二) 生活指導研究部
学校生活のきまりを自覚し、自主的、意欲的な生活ができる生徒を育てる。
1)基本的な生活習慣の確立を図る
本校における一部生徒の制服の変型、頭髪の乱れ、喫煙、暴力行為等の問題行動は、年度による増減はあるものの半ば慢性的な現象となっていた。そのためか、他の生徒まで生活が乱れがちになり、遅刻する者が多くなるなど影響が広まった。その根を断ち切るためには「ダメなことはダメ」という毅然とした態度で指導に当たることである。
ア、あいさつ運動の実施
登校時間帯の七時五十分〜八時二十分まで教師と生徒代表が要所に立ち、大きな声であいさつができるように一年間取り組んだ。
イ、ベル着運動への取り組み
校風確立運動の一つとして全校挙げて取り組んだ結果、著しい成果がみられるようになった。(資料6)
(3) 学級経営研究部
生徒一人一人が学級で自主的に活動することによって教師と生徒、生徒相互の望ましい人間関係を育てる。
〔資料1〕相互授業参観学年別配当例
〔資料2〕4つのきまり
○学習用具の準備をする
○忘れ物をしない
○チャイムの即着席
○授業のはじめと終わりの挨拶
〔資料3〕4つの約束
○話は良く見、良く聞こう
○姿勢をよくして学習しよう
○発表は大きな声ではっきりしよう
○勇気を持って質問しよう
〔資料4〕授業に不参加になりがちな生徒の具体的な指導の一例(おしゃべりがひどい生徒)
→最低限度必要のことをノートに書かせる。
→授業の中で発問の工夫、興味を引くような教材の設定。
→学習意欲がなくなった原因はなにか、学級担任に連絡し、その生徒の心をつかむ。
→どうしてもひどい時は、職員室に連絡し他の先生の授業を受ける。
〔資料5〕学習・生活ノート