教育福島0121号(1987年(S62)06月)-015page

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徒の理解に努め、個性・能力・特技を存分に伸ばせるよう指導に当たっている。

また、勤労体験学習の趣旨を踏まえて、生徒会活動としての校内美化、全校生徒による一斉指導、除草、そして校地周辺の側溝さらい作業、あるいは学年単位での信夫山公園、新浜公園の清掃等を実施し、地域社会に貢献している。

(二) 進路指導をとおしての生徒指導

1)生徒の進路希望状況(資料2参照)

ここに掲げた表は、六十年度、六十一年度とも、五月現在の調査結果である。六十年度と比較して各学年とも四年制の国公立大学の希望者の増加が目につく。また、学年進行による希望進路の推移を見ると、合計らんで三百五十二名の一年生の四年制大学の希望者数は、学年が進むにつれて減少しているが、この減少分は、短期大学希望の増加、就職希望生徒の増加分と考えられる。つまり、入学当初の漢然としていた進路意識が学年進行と共に明確になり、自己理解力も深まり、現実的、合理的な進路の選択ができるようになった証拠である。

さて一年生では、希望進路が未定だとした者は、六十年度では七十五名もいたが、六十一年度では、約半数の三十七人に減少している。これは生徒に対して早い時期に進路目標を持たせようと指導計画を立て、組担任によるホームルームを通しての進路指導、進路指導係による積極的な進路相談の実践による成果とみることができる。このような未定者の減少は、特に二年生において顕著に表われている。学年末のカリキュラムの選択指導、合同ホームルームによる徹底指導、外部講師を招いての進路講演会等の努力の結果と考えられる。

三年生についても同様に、未定と回答した者は激減した。進路資料を駆使しての個人指導、年度始め早々の保護者・生徒を交えての三者面談の結果である。

2)生徒の自己理解と教師の生徒理解を深めるために

生徒の進路指導を充実発展させるには、生徒の自己理解を深めさせ、指導者である教師が生徒についての人間的な全体像を的確に把握し、自信を持って指導に当たることが肝要である。

本校では進路指導部と生徒指導部が協力し合い、生徒自身が自分自身をより客観的にとらえることができるように、一年生には、教研式新AAI〈学習適応性検査)、教研式MIG検査、マルチ検査を実施した。AAIでは、学習態度、学習技術、学習環境、精神の健康の五分野から学力向上要因を診断し、プロフィール化し、一目で分かるようにしている。

MIG検査には、生格診断プロフィール、適応傾向の判定、性格類型の判定、問題生傾向の判定、そして総合診断と指導目標が示されている。

マルチ検査は、不安感、不適応感、行動傾向、学習、悩みなどについて多面的に調査したもので、生徒の感性理解には、きわめて効果的、科学的な検査であった。

二年生では、進路適性診断テスト(旺文社版)を実施した。これは総合診断、希望学科へ進むためのアドバイス、文系・理系検査、系統別適性度、生活志向、職業選択志向検査の結果が明示され個人面接では効果的な資料である。

3)健康と安全管理による生徒指導

健全なる精神が健全なる身体に宿るのは、今もローマ時代も変わりない。健全なる身体を保持できるかどうかは、睡眠時間と朝食の摂取状況に左右され資料1 研究内容及び方法

研究内容             方法

ア 生徒の理解を深める     ア 各種検査の実施

(ア)一年MG性格検査

(イ)二年進路適性検査

(ウ)身体に関する調査

(エ)その他

イ 実態調査

(ア)家庭状況の把握

母子・父子家庭 単身赴任

ひとりっ子共働き 止宿等

(イ)保護者のアンケート調査

学校・子どもへの期待・希望等

(ウ)家庭訪問

(エ)その他

ウ 中学校訪問

情報交換等

エ 生徒指導推進地域(福島市)との連携

保護委員会の活用等

オ 担任・教科担任・クラブ顧問・部顧問・その

他教職員による指導

イ よりよい進路選択と生活指導 ア 進路希望・決定

イ 講演会の開催

ウ ロングホームルームの活用

(ア)職種の紹介

(イ)大学の紹介

エ テスト結果の活用

オ 個別面談・三者面談

ウ 教育課程の展開と生徒指導  ア 教育課程……本校の実態に即した教育

課程の編成と実施

イ 教科指導と生徒指導

(ア)予習・復習の定着

(イ)テスト受験に関する指導(定期考査

・外部テスト等)

(ウ)個々の生徒に応じた適切な学習指導

(エ)自習時間の効果的な活用 ビデオ等

の利用

ウ 道徳教育と生徒指導

(ア)規律ある生活の確立

(イ)欠席・遅刻・早退に関する指導

(ウ)礼儀・服装・ことば使い・私語等に

関する指導

(エ)望ましい社会的行動の育成

(オ)その他、基本的生活習慣の確立

エ 特別活動と生徒指導

(ア)校外生活に関する指導(旅行・遠征

・合宿・野外教室等)

(イ)清掃に関する指導

(ウ)ショートホームルーム・ロングホー

ムルームの指導

(エ)安全教育の推進

工 教育相談の充実       ア 教育相談室の活用

イ 教育相談の推進

ウ 問題行動を持つ生徒の早期発見


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