教育福島0121号(1987年(S62)06月)-031page

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四、生徒指導を効果的に実施するための配慮

 

(一) 生徒指導体制の整備

生徒指導は、学校の教育目標の具現化という立場から教育活動全体を通して進められるものであるが、特に大切なのは、校内の指導体制のあり方である。

学校に生徒指導上の問題が生じた場合、その解決策を講じるためには、様々な方法がとられるが、よりよい指導を行うためには、校内の指導体制をしっかりと整備しておく必要がある。

(二) 生徒指導実施上の配慮事項

盲・聾・養護学校においては、学校規模等によって組織や指導体制のあり方に多少の相違はあるが、学校全体としての統一的な機能を発揮するためには、次の諸点に十分に配慮する必要がある。

1) 全教職員が児童生徒の生徒指導に当たるという基本的な理解をもつこと。

2) 校内研修会、学部・学年会等で児童生徒の生徒指導上の問題点について情報を交換し、教職員相互の理解を深めること。

3) 緊急事態が発生した場合の対応策を検討し、組織の整備を図っておくこと。

4) 学校と家庭、地域の関係諸機関と連携を密にし、児童生徒が健全な生活が送れるようにすること。

 

五、生徒指導の指導組織

 

適切な生徒指導を行うためには、生徒指導の役割や内容・方法を十分考慮して学校の組織全体の中に位置づけることが大切である。

(一) 校務分掌上の位置づけ

学校の校務分掌組織の中に、生徒指導を適切に位置づける場合、それぞれの学校の規模、教職員の構成、児童生徒の実態、施設設備、学校の伝統、地域社会の実態など、様々な条件を十分考慮しなければならない。

また、盲・聾・養護学校においては、児童生徒一人一人の障害が重度・重複化してきている点や、 各学校の学部構成などの特殊性を考慮し、全校の生徒指導が有機的に機能するように、関連する校務分掌の中に、生徒指導に関する内容を明らかにし、重点として位置づけることが大切である。

(二) 生徒指導部内の組織

生徒指導部内の組織については、次の職務内容を参考にして、幼・小・中・高等部の児童生徒の障害の実態や発達段階に即して、一貫した生徒指導がなされるよう適切に組織することが大切である。

1) 職務内容

ア 生徒指導の目標及び全体計画の立案

イ 安全教育の指導。防災・避難訓練の計画、実施

ウ 児童生徒会活動の指導。クラブ活動の計画と指導

エ 集会活動の立案、計画と指導

オ 環境整備、清掃計画と指導

カ 通学指導、余暇利用の指導、校外生活指導

キ 校内日常生活指導等の年間計画の立案、長期休業中の生徒指導計画

ク その他生徒指導全般に関すること

2) 生徒指導部の組織

生徒指導部の構成メンバーは、学校の規模等により、その活動内容に応じ、いくつかの係を設け、効果的な活動の推進を図るとともに、生徒指導部全体としてのまとまりのある運営が行われるようにすることが大切である。

例えば、〔資料1〕にみられるA校のように、各係に分かれているが、生徒指導の全体計画に基づき、常に相互の連絡を密にしながら各係の活動を行い、指導上の重要な事柄については、生徒指導部会で協議する必要がある。

 

六、生徒指導に関する教職員の共通理解と協力体制の確立

 

生徒指導を充実させるためには、生徒指導の果たす役割について全教職員の共通理解のもとに協力体制を確立していくことが大切である。

盲・聾・養護学校においては、障害種別の違いや、幼・小・中、高等部の設置状況の違い等、学校によってそれぞれ違っているため、全教職員が生徒指導についての共通理解をもち、一貫した生徒指導が行われることがより一層重要である。

(一) 共通理解を図る工夫

教職員の共通理解を得るためには、生徒指導について協議する機会を積極的に設け、徐々に全校的な体制へと発展させていくことが必要である。当初

資料1 生徒指導部の組織 A校の場合

 

 

 

 


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