教育福島0121号(1987年(S62)06月)-036page

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よって様々な研修会、研究会議会が開催されており、学校事務職員の資質向上に大いに貢献しているところです。ろです。

表1 学校事務職員の主な研修予定

◇義務教育(市町村立学校事務職員を対象としたもの)

 

(一)新採用事務職員研修会

日時 五月十四日〜十六日

場所 教育センター

対象 小・中・養護学校新採用事務職員

 

(二)事務職員研修会

日時 七月十三日〜十五日

場所 教育センター

対象 小・中・養護学校の経験三年以上の事務職員

 

◇県立学校事務職員を対象としたもの

 

(一)県立学校事務職員研修会

日時 七月三十日〜三十一日

場所 郡山市

対象 中堅事務職員

(二)県立学校新任事務長研修会

日時 四月三十日〜五月一日

場所 福島市

対象 新任事務長

(三)県立学校事務長研修会

日時 十一月二十六日〜二十七日

場所 福島市

対象 事務長

 

五、これからの学校事務

 

以上、現在の学校事務について検討してきたわけですが、次には、これらの点を踏まえて、今後の学校事務のあるべき姿について考えてみることにします。

現在、学校を取り巻く社会環境は極めて複雑なものとなっており、学校において処理すべき事務も膨大な量に及んでいます。そして、これらを正確かつ迅速に処理するためには、幅広い見識と的確な事務処理能力が要求されます。このためには、これまでのような狭い意味で学校事務というものを考えるのではなく、それが学校経営において根幹の役割を果たすべきもの、教授・指導活動とともに、学校教育を支える重要な柱として認識する必要があり、それを遂行する事務職員は、学校事務職員が学校教育の最前線で活動する行政職員であることを自覚する必要があるといえます。

また、たとえば、学校における物品の購入ということについて考えてみるとき、教材用の物品であれば、担当教員から指定された物品について、予算の範囲内で購入するという事務処理が行われています。しかし、このような場合、現在のように同じ機能を持つ物品が多数存在し、また、学校の予算が極めて厳しい状況となっているとき、指定された物品をただ漫然と購入するということではなく、なぜその物品が必要なのか、あるいは、より安価で効果的な物品が他には考えられないのかといった検討も必要になります。

これはほんの一例ですが、要するに、教授・指導活動を円滑にし、学校の管理運営を効率的に進めるためには、学校事務職員が、常日頃から、学校における教育内容や指導方法についても幅広く関心を持っておく必要があるといえます。

学校は教育の場であり、教授・指導活動が中心であり、その業務を担うのが、教育のスペシャリストとしての教員です。これに対し、学校事務職員が事務のスペシャリストであることはもちろんですが、それ以上に、行政的視点と教育的視点を兼ね備えた、学校の管理運営のゼネラリストとして、その職務を遂行すべきものであるといえるでしょう。

 

おわりに

 

従来から、学校事務といえば「縁の下の力持ち」あるいは「わき役」というとらえ方をされることが多くありました。事実、学校現場において事務職員は少数派であり、地味な存在といえます。しかしながら、現在の学校事務の果たすべき役割は、学校経営の根幹をなす重要な部分を担っているといえます。学校事務なくしては、学校教育活動の円滑な運営は有り得ず、学校教育の向上、発展にも必要不可欠な存在なのです。

去る四月一日出された臨時教育審議会の第三次答申においても、学校においては、教員とともに事務その他の校務に従事する職員も重要な役割を担っており、学校の円滑な運営にあたっては、学校に勤務する職員が一体となって努力する必要があると述べられています。

学校事務職員の方々が、自己の職責を十分認識され、今後一層職務に精励されることを念願するものです。

 

 

 

 

 


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