教育福島0121号(1987年(S62)06月)-044page

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楽しい学校

レポート 学校から

 

パソコンクラブばんざい

白沢村立和田小学校

 

「パソコンクラブができることになりました」

「やったあ」

これが、子どもたちの第一声であった。

昭和六十一年四月、オープンスペース・多目的ホールを持つ学校として生まれ変わった本校では、MSX機を二機購入し、自主的・主体的学習に生かすための試みが始まった。

パソコンを持ち、実際に操作したことのある数名の児童をリーダーに、担当教師の指導の時間を三分の一程度入れながら、自主的に活動できるように運営してきた。

年度途中からは、新たに購入したワープロソフトや教科書に準拠した算数学習ソフト、地理項目検索ソフト等の使用法に慣れるための時間も設定した

六年生男子四名、五年生男子六名、計十名の構成であるが、余暇時間を利用して、パソコンの傍らにあるマニュアルや雑誌などから四十〜五十行程度のプログラムリストをキーボードから打ち込み、簡単なゲームが楽しめるようになってきた。また、それらのゲームを自分の好みによって作り変える児童が出てきた。さらに、ワープロソフートを使って、日本全国から集めた社会の資料を整理したり、六年生を送る会の実施要項を作るなどの活動まで出てきたのである。

これらの児童を補助として、授業の中でもCAI授業を目指した積極的な授業実践が試み始められている。市販ソフトはゲーム型がほとんどであるため、プログラムそのものも教師が自作したものでなければ使いにくい。年度二台を目標とし機器の充実を図りながら、学習の「個性化」に対応すべく実践を積み重ねている。

 

多彩な試みで教育おこし

県立川口高等学校

 

一 小さいからこそ生き生きと

川口高校のある大沼郡金山町は、昭和六十年の国勢調査で人口減少率県内トップとなった。生徒数も減り続け、全校生徒百六十八名(うち寄宿舎生三十六)である。しかし、小さいからこそ活生化が必要という、教職員の共通認識が生徒たちを包み込んで、地域の協力も得ながらユニークな「教育おこし」を推し進めている。

二 通信・ツウシン・つうしん

生徒が生き生きと参加する「わかる授業」は、授業者側に生徒の生活感覚を大事にしながら、できるだけ同じ次元で対話しようとする努力が必要である。そういうねらいで英・数・国の教科通信が定期的に出され、これに学年通信、生徒会等が次々に加わって六十一年度は実に九種六十五号の発行をみた。

三 体験が人間を鍛える

自分の手で企画し、運営にかかわり成功に向けて努力するという体験は、生徒の精神成長にとって何よりも大切である。本校では主として学校裁量の時間を活用して、春の「わらび採り大会」から冬の「雪像展」まで、ユニークな行事がめじろ押しに並んでいる。今年は新たにボランティア活動の分野にも手を広げ、過疎・高齢社会化した地域の問題と取り組む。

四 この道五十年(講演会シリーズ)

学校裁量時間のもう一つの特色は、それぞれの道一すじに生きる人たちの講演会である。「本物に触れれば感動もまた本物」と、前校長皆川郁夫先生の提唱で始まった。芸術家・ジャーナリスト・農民・いろいろお招きしたが生徒たちはいつも真剣で、講師が感動するほどである。

厳しい自然環境と苦しい経済条件下にあえぐ奥会津であればこそ、学校の灯は常に光り輝いていなければならないと、私たちはがんばっている。

 

パソコンで楽しく学ぶ

パソコンで楽しく学ぶ

 

春のわらび採り大会

春のわらび採り大会


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