教育福島0122号(1987年(S62)07月)-012page
習慣をつけさせたり、他人が発表する英語を聞く態度を養成することに努めた。
ク) 英文手紙の書き方の指導(全学年)
姉妹校(オーストラリア・ホワイトブリッジ高校)との文通希望者に英文手紙の書き方を指導した。
ケ) 修学旅行中の外国人観光客とのインタビュー(昭和六十年度二年生)
修学旅行を利用して、英語A履修者(2)型の生徒)全員に課題として与えた。各クラスを三名ないし四名のグループに分け、修学旅行中に外国人観光客にインタビューをするという方法で実行させた。生徒は、インタビューをした後一緒に写真を撮るなどして良い経験になったようである。帰校後、生徒にそのインタビューの模様を話させ、用紙にその結果を記入提出させた。
なお、この研究の結果、本校の英語科としては、コミュニケーションのための英語教育を重視していくこと、一クラスの学習者の数を少なくすること、異文化理解の範囲・程度を明確化することなどを今後の課題として残した。
(三) 特別活動(ロングホームルーム)
1) 研究の主眼
二十一世紀を担う青少年にとって、「国際化」の時代に生きることは避けることのできない課題であり、広い視野と豊かな情操を身につけ、国際舞台で活躍できる素地を養うことは、教育に課された使命の一つである。
一方、よき国際人はよき日本人であることを深く認識し、国を愛する心を育てる教育、日本文化の個性をしっかりと身につけさせる教育とともに、諸外国の文化・伝統などについて理解を深めるための教育が確立されなければならない。
本校のロングホームルームは、以上のことを踏まえて、国際性を身につけた心豊かな人間の育成を目指して実践された。
2) 国際理解実態調査
ロングホームルームの中に「国際理解」を取り入れるに当たって、このことに対する生徒の意識がどのようであるかを知るために、全校生を対象に十六項目にわたるアンケートを実施した。
アンケート中の第十項目「あなたは他の国々のどんなことを一番知りたいと思いますか」に対しては、
イ)「政治や経済のこと」が四パーセント
ロ)「地理や歴史的なこと」が五パーセント
ハ)「文化的なこと(衣・食・住などを含む)」が六十ニパーセント
ニ)「高校生活(勉強の様子・スポーツ・教科書・教科目など)」が二十九パーセント
という結果がでた。また、第十三項目
「あなたは外国人が理解できると思いますか」に対しては、
イ)「交際すれば完全に理解できると思う」が十六パーセント
ロ)「交際すればある程度理解できると思う」が八十二パーセント
ハ)「どんなに交際しても理解できないと思う」が二パーセントという結果であった。これらの調査結果は、国際理解に関するロングホームルームのテーマや内容を考える場合に参考にすべきことと思われる。
3) 各学年の目標
国際理解のためのロングホームルームでは、各学年ごとの目標を次のように立て、この目標に近づくよう努力した。
◎第一学年の目標
気候、風土、産物、生活などを中心として歴史的・文化的理解を深める。
◎第二学年の目標
各国の歴史の違い、文化の特質などを中心として、歴史的・文化的な理解を深める。
◎第三学年の目標
国際連合、環境保全のための国際協力などを中心として、国際関係の理解を深める。
4) 年間指導計画
本校のロングホームルーム年間計画は、各組ごとに生徒のホームルーム運営委員が中心となり、ホームルーム担任の指導を受けて四月中に完成させる。次に昭和六十一年度のロングホームルーム年間計画のなかから国際理解に関するものを挙げる。
一年一組 外国を知ろう(五月)
外国から見た日本人(十一月)
一年二組 外国の生活を学ぶ(十一月)
一年三組 高松古墳と朝鮮文化(十一月)
一年四組 人口問題(十月)
一年五組 オーストラリア(九月)
一年六組 オーストラリア(十一月)
二年一組 アメリカの生活(九月)
二年二組 アメリカの習慣について(九月)
二年三組 国際感覚を身につけよう(九月)
二年四組 国際交流とは(十一月)
二年五組 外国人から見た日本人(十一月)
外国人を招いてのロングホームルーム