教育福島0122号(1987年(S62)07月)-017page

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るよう御配慮願います。

 

第一 教育上特別な取扱いを要する児童・生徒の教育措及び心身の故障の判断に当たっての留意事項

教育上特別な取扱いを要する児童・生徒の教育措置及び心身の故障の判断に当たっての留意事項は、次に掲げるところによることとし、特に心身の故障の判断に当たっては、医学的、心理学的、教育的な観点から総合的かつ慎重に行い、その適正を期すること。

 

1 盲者及び弱視者について

 

1) 教育措置

ア) 学校教育法施行令第二十二条の二表(以下「施行令の表」という)盲者の項に規定する程度の盲者(強度の弱視者を含む)は盲学校において教育すること。

施行令の表盲者の項において「視力以外の視機能障害が高度のもの」とは高度の視野狭窄、高度の夜盲、全色盲などの障害をいい、また「将来点字による教育を必要とすることとなると認められるもの」とは進行性眼疾患のため将来視力又は視力以外の視機能の障害が高度になると認められるものをいうこと。両眼の視力が矯正しても〇・一以上〇・三未満の者又は視力以外の視機能障害が高度の者でその視機能障害の程度が施行令の表盲者の項に規定する程度に達しない者については、特殊学級において教育するか又は通常の学級において留意して指導すること。

2) 心身の故障の判断に当たっての留意事項

上記1)ア)及びイ)に掲げる者の判断は、専門医による精密な診断に基づき総合的に行うこと。なお、年少者、精神薄弱などに対する視力及び視力以外の視機能の検査は困難な場合が多いからその正確を期するよう特に留意すること。

 

2 聾者及び難聴者について

 

1) 教育措置

ア) 施行令の表聾者の項に規定する程度の聾者(強度の難聴者を含む)は聾学校において教育すること。

イ) 両耳の聴力損失が九〇デシベル未満五〇デシベル以上で、補聴器を使用すれば通常の話声を解するに著しい困難を感じない程度の者及び両耳の聴力損失が五〇デシベル未満で、補聴器を使用しても通常の話声を解することが困難な程度の者については、特殊学級において教育するか又は通常の学級において留意して指導すること。

2) 心身の故障の判断に当たっての留意事項

上記1)ア)及びイ)に掲げる者の判断は、専門医による聴力障害に関する精密な診断結果に基づき、失聴の時期を含む生育歴及び知能ごとに言語の発達状態を考慮して総合的に行うよう留意すること。なお、その際必要に応じ、聾学校教員など聾、難聴児の取扱いに経験を有する者の協力を得ることが望ましいこと。

 

3 精神薄弱者について

 

1) 教育措置

ア) 施行令の表精神薄弱者の項に規定する程度の精神薄弱者は養護学校において教育すること。

施行令の表精神薄弱の項において「精神発育の遅滞の程度が中度以上のもの」とは、重度の精神薄弱及び中度の精神薄弱を指し、重度の精神薄弱とは、ほとんど言語を解さず、自他の意思の交換及び環境への適応が著しく困難であって、日常生活において常時介護を必要とする程度のもの(知能指数「IQ」による分類を参考とすれば(以下「IQ」という)二五ないし二〇以下のもの)、中度の精神薄弱とは、環境の変化に適応する能力が乏しく、他人の助けによりようやく身辺の事柄を処理することができる程度のもの(IQ二〇ないし二五から五〇の程度)をいう。

施行令の表精神薄弱者の項において「精神発育の遅滞の程度が軽度のもの」とは、軽度の精神薄弱を指し、軽度の精神薄弱とは、日常生活に差し支えない程度に身辺の事柄を処理することができるが、抽象的な思考は困難である程度のもの(IQ五〇から七五程度)をいう。

イ) 施行令の表精神薄弱者の項に規定する程度に達しない精神薄弱者は特殊学級において教育すること。

(2) 心身の故障の判断に当たっての留意事項

上記1)ア)及びイ)に掲げる者の判断は、精神発育の遅滞の程度を明確にするための標準化された知能検査の厳密な実施並びに生育歴及び現在の心身の状態(身辺自立、運動機能、社会生活等)についての調査並びに家族、友人、学校等本人の発達に影響をもつ環境の分析などを行った上で、総合的見地から慎重に行うこと。

 

 

 


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