教育福島0122号(1987年(S62)07月)-028page

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えば、苦労したことの方が心に残っている。

 

例えば、百二十六を十四で割るときに、おおよその数を立てるという意味が理解できず、ノートに百二十六個の点を打って十四個ずつ分けて答えを求めた経験があり、割り算とはなんとむずかしい学習だろうと感じていたり、また、連立方程式の意味や解き方について自分にはわかるはずがないと本気で思い込んだりしていたことがあった。

しかし、それがいつの間にか抵抗がなく理解できるようになっていたところをみると、自分でもわからないある時点で、それらの概念が自然に構築されていたのであろうと思う。

子どもたちの授業の中でも、これと似た傾向を見ることが少なくない。何の抵抗もなく、どんどん理解していく子どももいるが、大半の子どもは新しい知識を獲得する場合、何らかの抵抗を持つことが多いようである。そこに、私は子どもたちの概念形成を図るに当たっては、十分に意を用いる教師の配慮がいかに大切であるかを感じる。

先日、「ろうそくのしんのはたらき」(六年生理科)についての授業参観の機会を得た。様々な材質を芯にしたろうそくを子どもたちがっくり、それを燃やして観察していた。

「紙の芯」「スチールウールの芯」「ガラスウールの芯」「プラスチックの芯」「針金の芯」とさまざまな芯をもつろうそくの燃え方を比較し、燃え続けるためにはどこがちがうかを子ども自身が発見し、「ろうそくのしんは、ろうを吸い上げている」ことを見つけ出していた。

「ろう」が液体となり、そして気体となって燃えるという概念の一つの過程学習であり、そこには一面的な理解でなく、総合的な理解を図ろうとする教師の意図が感じられ、生き生きと参加している子どもの姿と一緒に教師のアイディアのすばらしさが心に残った。

 

「赤とんぼ」を空んじて歌うのと、その歌詞の意味を味わいながら歌うのとでは、同じメロディーを口ずさんでも違いが生じてくるはずである。

(県教育庁義務教育課指導主事)

 

昭和62年度就学義務猶予免除者の中学校卒業程度認定試験の施行について

 

一、趣旨

病気などやむを得ない事由のために義務教育諸学校に就学することができないで、就学を猶予又は免除された者等に対し、中学校卒業程度の学力があるかどうかを認定するために国が行う試験で、合格した者には高等学校の入学資格が与えられる。

 

二、受験資格

1) 就学義務猶予免除者である者又は就学義務猶予免除者であった者で、昭和六十三年三月三十一日までに満十五歳以上になる者

2) 尋常小学校又は国民学校に就学義務猶予免除された者

3) 就学義務猶予免除を受けず、かつ、義務教育諸学校を卒業することができなかった者で、就学義務猶予免除を受けることができる事由に相当する事由があったと文部大臣が認めた者

 

三、試験期日

昭和六十二年十一月六日(金)

 

四、試験場

福島県県庁西庁舎八階第二会議室

(福島市杉妻町二−十六)

 

五、願書の受付期間

昭和六十二年八月十日(月)から同年九月九日(水)まで、県教育庁高等学校教育課で受け付ける。

 

六、受験の手続き

受験案内並びに出願用紙等は、六月下旬より配布するので、希望者は六十円切手貼付の返信用封筒を添えて左記に申し込むこと〒九六〇 福島市杉妻町二−十六福島県教育庁高等学校教育課中学校卒業程度認定試験係(電)〇二四五−二一−一一一一(内線)三九三六

 

表紙写真について

 

サギソウ(ラン科)

その名のとおり白鷺の飛ぶ姿に似た可憐な花である。湿原の代表的な野草であるが、開発のために激減している。育ててみると非常に丈夫でよく増える。

(栽培品を撮影)

 

オオタカネバラ(バラ科)

亜高山帯に自生するバラである。有名な中山風穴などの風穴では涼しい風が吹き出しているので、低山であっても、そのような所にはこのバラのような本来高山に産する植物が自生している。

(撮影地福島市北西部)

 

オオバキスミレ(スミレ科)

スミレの花は文字どおりすみれ色のものが目立つが、高山性のスミレには黄色の花が多い。本県の高山には、ほかにキバナノコマノツメも自生している。

(撮影地 飯豊山)


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