教育福島0122号(1987年(S62)07月)-043page

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性格やしつけに関する相談が多く特に、第二子が誕生したことによる第一子の心の葛藤が理解できずに、反抗的態度やしつけの困難さに戸惑いを感じている若い夫婦の姿がみられます。

また、祖父母等と育児についての方針や意見が合わず、家庭内の人間関係まで気まずくなってしまったという相談も増えております。

◇電話相談(すくすくダイヤル)の相談傾向から

一年間によせられた相談件数が三百八十一件と、昨年より二十件ほど増えています。

特徴としては、新学期の五月、夏休み後の九月、十月、年末の十二月頃に相談件数が多くなっています。

表1は、昭和六十一年度における相談対象者区分別の相談内容の傾向を表わしたものです。全体の五十六・二%は乳幼児期における育児、保育等に関する相談がよせられています。

小学生期の相談は十六・三%で、しつけや対人交遊、いじめ等の問題が多く、いじめの相談では、いじめを訴えても学校や先生が真剣にとり上げてくれないなど、学校に対して不満を訴える例が多いようです。

中学生期・高校生期では、友だち関係など対人交遊に関することや、非行、家族の人間関係の相談が多くなり、従来多かったいじめの相談は、減少の傾向にあります。

電話相談者の八割は母親からのものですが、高校生では本人が相談する例が多く、また学校の先生からは、教え子のことで相談される例もあります。

 

〈家庭教育の課題〉

望ましい家庭教育の実現を図るためには、子どもの成長に応じて、基本的な生活習慣や信頼感、自立感の確立をどう具体的に達成していくかといった発達に応じた課題の解決を図っていく必要があります。

しかし、母親の就労や社会参加が進み、また、父親の単身赴任等が増加している今日では、家庭における教育の機能は必ずしも十分とはいえません。

そのため、家庭生活や社会生活の環境的諸条件を改善したり、乳幼児期の親や働く親に対する学習の機会を更に拡充させるなど、諸般の行政施策の充実が求められています。

特に、市町村の公民館や各小・中学校等で実施されている家庭教育学級・講座の開設に当たっては、学習内容や方法の改善とともに、父親に対する学習機会の提供も大切です。

また、今後は地元の民間企業との連携を深めて、企業内家庭教育学級・講座の開設を促進することが課題になります。

この様なことから、家庭教育を充実させることは、それ自体が重要であるばかりでなく、学校教育、社会教育につながる生涯教育の起点として極めて重要な意味があります。

気軽に話し合える巡回相談

気軽に話し合える巡回相談

図1 昭和61年度巡回相談における相談傾向

表1、対象者の区分及び相談内容の順位

表1、対象者の区分及び相談内容の順位

表1、対象者の区分及び相談内容の順位


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