教育福島0123号(1987年(S62)08月)-054page
ふるさと探訪
県指定重要文化財(工芸品)
大名家婚礼調度(七十二点)
相馬家では、昌胤以来、領主の奥方が亡くなると、そのつど菩提寺である同慶寺に遺愛の品を奉納していた。大部分は漆器の大名婚礼調度の品であり、懸盤・揃椀・湯桶などの食器をはじめ硯箱・化粧道具・料紙箱・挟箱などがある。黒塗葡萄絵や薔薇の蒔絵等意匠と技術にすぐれている。
所在地相馬郡小高町小高字上広畑二四六
所有者同慶寺
県指定重要無形民俗文化財(芸能)
二本松の祭り囃子
二本松の提灯祭りとして知られる二本松神社の秋祭りに七つの町内から繰り出す太鼓台で奏する祭り囃子である。
伝来については明らかでないが、記録によると寛文四年(一六六四)には初期の囃子がすでにあり、寛政三年(一七九一)には盛んに行われていた。
県内の祭り囃子の中では曲目が多くしかも多彩で変化に富むなど地方色もあって高い価値をもっている。
所在地 二本松市本町二丁目
所有者 二本松提灯祭祭礼囃子保存会
県指定史跡及び名勝
専称寺境域
梅福山報恩院専称寺は、応永二年(一三九五)良就上人十声大和尚が開創した浄土宗名越派の寺である。六世良大の延徳年間(一四八九〜一四九二)に勅願所となり、江戸初期には奥羽両国を中心として、全国に三百または五百の寺院を末寺とした。
本堂、経堂、庫裡や寂光院跡、衆寮跡等良好に保存され、六百本の白梅とともにすぐれた景観を呈している。
所在地いわき市平山崎宇梅福山
所有者浄土宗専称寺ほか二名
県指定垂要有形民俗文化財
旧修験岩崎家所蔵修験資料(四百十点)
旧懐験岩崎家は、もと高平山上之坊阿弥陀院寛徳寺と称した相馬修験の総本司の年行事で、百余か寺の配下の寺院を擁していた。寺の由緒は古く、元亨三年(一三二三)に領主相馬重胤に従って奥州相馬に移住し、明治初年に復飾した岩崎宗山は上之坊六十二世という。
資料は京都の聖護院との往復を示す文明年間(一四六九〜一四八七)以降の文書を主としたもので、質量ともにきわめてすぐれている。
所在地 相馬市小泉手根岸424幡地
所有者 岩崎敏夫