教育福島0125号(1987年(S62)10月)-011page
● 家族そろって毎日夕食をとるのは三人に一人という集計結果から「生活に追われ子どもとの触れ合いが乏しい」との指摘がなされています。
こうした現況・実情をふまえて、本村の今年度の青少年健全育成PTA事業は、各小学校のPTAの協力をあおぎながら、親と子が共に活動し、ふれあう機会がもてるよう、表1のような計画が企画されました。
以下、この計画の中から「都市と農村を結ぶ楽しい子ども会」を取り上げ、その実践活動・内容を紹介します。
(一) 「都市と農村を結ぶ楽しい子ども会」の実際
この事業は、天栄村立広戸小学校PTA、東京都新宿区立淀橋第一・第四・第七小学校PTAと、さらに、東京都新宿区柏木地区青少年対策委員会の協力を得【小学校五・六年生の児童を対象として、夏休みの時期を利用して実施する交歓会です。
東京との交歓会ということで、広戸小学校PTAでは「交歓会実行委員会」を組織し、当日を迎えるために、数回にわたり日程・内容等について事前に打ち合わせがもたれました。(表2参照)
1、ねらい
広戸小学校児童と東京都新宿区柏木地区児童による交歓会を実施することにより、都市と農村の生活を理解するとともに、お互いに知り合い友情を深め、親と子のあたたかいふれあいの場をとおして、豊かな人間性を培う。
2、主な活動内容
(1) 歓迎会・開会式
天栄村にある羽鳥湖に面したキャンプ・宿泊施設を備えた湯本青少年旅行村で実施されました。
あいにくの天候でしたが、予定どおり歓迎会・開会式が実施され、主催者挨拶・歓迎のことば・交歓のことば・スタッフの紹介等が行われました。
子どもたちの元気な声の中、スタッフの意気込みが感じられ、親子一丸となって、この交歓会を成功させようとする雰囲気で会は盛りあがりました。
(2) 野外炊飯活動
雨がぱらつく中、野外炊飯活動が開始され、夜のメニューであるカレーライスの準備に入りました。
飯盒使用の際の水と米の量やたき方の指導、材料の確認等があったあと活動が開始されました。
米はこうしてとぐとか、ニンジンの大きさはこのくらいとか、ジャガイモのくぼんだ所は包丁のかどを使って取るようにとか、玉ネギを切る時は一切れ口にくわえると目にしみないとか、火をたくときは空気のとおりがよいようにといった親の経験豊富なその場に即したアドバイスを受けながら、ぎごちない手つきで、それぞれ分担された作業を熱心にすすめるいきいきとした子どもたちの姿が見られました。
「ああ、けむいなあ」と、目をこすりながら薪をくべる子どもたち。
「昔は、毎日こうしてごはんやみそ汁を作ったんだぞ」の親のことばもこの日ばかりは説得力十分です。
時間がたつにつれて、どの班からも香ばしいカレーの匂いが漂います。そんな中、額に汗して働くことの大切さを体験できた喜びの顔や、親子が協力して一つの事をやりとげた満足感あふれた顔が見られたことは、
表2 都市と農村を結ぶ楽しい子ども会プログラム