教育福島0125号(1987年(S62)10月)-012page
何にもまして大きな収穫でした。
(3) 夕食・キャンプファイヤー
どの班のカレーも高級レストラン以上の味で、二杯、二杯とおかわりをして、自分たちの手料理を心行くまで味わう親子の姿が見られました。
夕食後、日暮れを待って開始されたキャンプファイヤー。「遠き山に日は落ちて」のハミングの流れる中、入場する火の神と火の守たち。開会宣言のあと、PTA会長ふんする火の神の「汝らに、協力の火を与える」のことばと共に火の守へ次々と分火されました。
“夜空をこがす”という表現がぴったりのスケールの大きな火に見守られながら、親子一緒のゲームや楽しいふれあいが展開されました。
この後、花火大会や親子協力してのナイトハイクにと、限られだ時間を使って親と子が楽しそうに活動するほほえましい姿が見られました。
(4) 農業体験学習
第二日目、湯本青少年旅行村から場所を広戸小学校に移して農業体験学習を行いました。
「実ったトウモロコシと実らないトウモロコシは、ジャガイモの掘り方は……」というように、ここでもその場に即しての親たちのアドバイスを受けながら、土まみれになって収穫を続ける子どもたちの真剣な姿が印象的でした。体育館で収穫祭を兼ねて昼食会が催されました。とりたてのジャガイモやトウモロコシをおいしそうにほうばりながらの親子の楽しい会話が館内に満ちていました。
(二) 「都市と農村を結ぶ楽しい子ども会」の成果
今回の事業に参加した親子は、異口同音に「よかった。本当に楽しかった」と感想を寄せてくれました。その中のいくつかを紹介しますと、
親の感想
○ 現在の子どもたちは、自然とかかわり合う機会が減る一方です。こんな時に、父母自身が子どもと共にこうしたキャンプに参加することは、家庭教育を見直したり、学校教育との連携を深めたりということで大事であると思いました。
〇 一生物事に対して興味を持ち続けることはむずかしい。しかし、今回のような体験的学習や子どもとふれあう機会を積み重ねていくことは、生涯学習へのきっかけをつかむという点からもよいことだと思います。
○ 土のあたたかさ、土のもつ意味にじかにふれることのできた農業体験と、今回の子ども会に参加して得たものは、親子ともども貴重なものでした。
児童の感想
○ 火のたき方やはんごうの使い方、ジャガイモのむき方など、わからないことをおとなの人に教えてもらったのでとても勉強になりました。
○ あまりおとなの人たちとキャンプや農業体験などをすることがなかったので、とても楽しい思い出となりました。
○ キャンプでのごはんの作り方や、さま、さまなことを教えてもらったので勉強になりました。
それぞれの感想に見られるように、子どもたちは、親とのふれあいの中でその豊かな経験を大切に受けとめていることがわかります。一方、親自身も子どもとのふれあいを大事に、そして、できる限り多くの機会をとらえて今回のような事業に参加したいという考えのあることがわかりました。
この事業を通して親と子が体験したものは、貴重なものです。そして、この思い出が双方の胸に、あの夜のキャンプの火のように消えることなく燃え続けることと思います。
(三) 今後の課題
本村の青少年健全育成PTA事業の一つ「都市と農村を結ぶ楽しい子ども会」を例に、成人と子どもたちの楽しいふれあいの様子を紹介してきました。
野外炊飯
キャンプファイヤー