教育福島0125号(1987年(S62)10月)-013page

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一般に、成人(特に男子)の学習の機会は、本当に少ないといっても過言ではありません。本村の男子成人も例外ではなく、一部の学校などで父親参観日を設けているくらいです。また、公民館で実施している成人対象の講座等への出席も婦人層が主で、参加希望・出席率とも低下しているのが現状です。

この課題を解決するためには、社会教育関係団体として、最大の会員数を有しているPTAの組織を大いに活用していく必要があります。そして、社会における各種の現象や素材を効果的に生かした成人向けの学習教材を編成していくことが大切だと思います。

 

事例二

 

座禅ととりくむ

親と子の活動

(少年夏期教室)

保原町大田公民館教養部

 

大田公民館は保原町の東部にある地区館で、大田小学校(児童数二百五十四名)に隣接して昭和五十五年に建てられています。

この地域は自治意識が強く、社会教育にもすぐれた実績を残しており、公・民館の事業でも、それぞれの部員が公民館職員を補佐しながら取り組んでいます。

なお、大田公民館の組織は表3のようになっています。

 

(一) 「座禅ととりくむ親と子の活動」の実際

 

この事業は、公民館の教養部が企画運営することになっています。

教養部員は、公民館で直接選んだ一名と、婦人会・PTA・青年会の推薦により選ばれた各二名の代表で構成されています。

部員は全員指導者としてではなく、事業の運営のみにあたるように計画されました。本事業は、早朝の涼しいうちに行って、日中はそれぞれの計画によって過ごせることや、内容が学校ではできないものであることなどの理由で好評を博し、今年度も実施することとして細部の検討を進めました。

 

(1) プログラムつくり

昨年度の反省をもとに、今の子どもたちには何が必要かを話し合った結果、レクリェーション等に流れ易い子どもたちに精神的な深さに気付かせる機会を与えるということで、「座禅」の体験を中心として、それに大田小学校の校長先生のお話と、大田地区に伝わる昔話を方言で語る「お話おばさん」を配し、その後の三十分で子どもたちのエネルギーを発散させるゲームや遊びをとり入れようと計画しました。そのプログラムが表4です。

 

(2) 指導者探し

プログラムの中心となる座禅の指導者を探した結果、地区内の青年僧侶で青少年健全育成のために全国的な活動をしている人のいることを知り、趣旨を話してようやく日程を決めることができましたが、桃出荷の最盛期となり、部員としてはつらい日程となりました。

 

(3) 当日の運営

○当番…青年は当番制、他は三日間。部員のほかに青年六名、婦人二名の協力を得ました。

○交通指導…早朝で交通量の少ない時間なので特に注意をし、実施しました。

○毎日の会場作りと受付、最終日にはスイカ割りと会食の準備、後片付け

 

表3 大田公民館活動組織図

表3 大田公民館活動組織図

( )内は人数

 

表4 昭和62年度少年夏期教室プログラム

日程表昭和62年8月6日〜8日大田公民館

 

 

 

 


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