教育福島0125号(1987年(S62)10月)-017page

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大半が兼業農家で、父母は共稼ぎが多く、昼間は祖父母と一緒に居る子がほとんどです。

この地区の子どもたちは、よく言えば素直だが、発言力が弱く、自主性が不足のため、利用されやすく、ややもずわれる心配がおきてきました。

成長、さかりの子どもは、遊びを通して多くのことを学びます。特に年齢の異る仲間と遊ぶことが大切です。しかし、前述のような環境の変化により、放っておけば、どのようにマイナスの方向に流れていくかわかりません。

そこで、小学校のPTAが育成会となり、昭和五十五年に子ども会を発足させ、組織的・継続的な子ども会活動を援助し、子どもの主体性を育てようということになりました。

 

(二) 育成会の内容

 

1、育成会の仕事

(ア) 活動の場の確保や整備

○河川、社寺境内などの安全管理

○集会場、公民館、青年の家等の利用方法を調べておく

(イ) 教具、遊具等の整備

(ウ) 指導者の養成

(エ) 物心両面にわたる側面的援助

(オ) 関係団体との交流

(カ) 学校や関係機関との連携

(キ) 広報活動

(ク) 会員同士の研修

 

2、これまでの主な行事

 

(1) 全体行事

(ア) ふるさとづくり少年教室

(イ) 少年教室「仲間づくり」

(ウ) クリスマス会

(エ) 交通安全教室

(オ) 防犯教室

(カ) 駐在所訪問

(キ) 敬老の集い

(2) 地区行事

(各地区で自主的に開催)

○夏

ラジオ体操、親子海水浴、花火大会、プール指導、学習会、キャンプファイヤー、神社清掃

○秋

親子芋煮会、交通安全教室、映画会

○冬

クリスマス会

○春

お別れ会、公会堂清掃、公会堂前花壇作り

 

3、最近目立った行事

(1) 親子盆踊り大会(上赤木地区)

夏休みの行事として、子ども会は「おばけ大会」を企画しましたが、育成会が場所や時間を考慮してアドバイスし、「盆踊り大会」に変更、老人会のゲートボール場を借り、ヤグラをたてて実施しました。金魚すくい、.わたあめ売りの親もあらわれ、太鼓たたきの青年会、踊る子どもたちの輪を見に来た地区民が次々と参加し、結果的に地区盆踊り大会となり大好評でした。

 

(2) 敬老会(柚木地区)

子ども会で敬老会をすることに決め、いろいろ計画を立て準備しました。招待状やプログラム作り等を進めるうちに、出し物の踊りがまとまらず育成会に相談に行きました。育成会の婦人たちが振りつけのアドバイスすると同時に、■ゆかたを用意。子どもたちは大喜びで踊りは勿論、会全体の運営を非常によくやり、お年寄りに喜ばれました。

 

育成会が用意したゆかた姿で踊りを発表(敬老のつどい)

育成会が用意したゆかた姿で踊りを発表(敬老のつどい)

 

(三) 育成会の方針

 

子ども会は、子どもたちが自主的に活動を進めていくところに意義があるわけですが、より効果をあげ継続させるためには、一人でも多くの大人の理解と協力が必要です。

活動を継続させ、子どもと共に学んでいきたいと、育成会のみんなが、がんばっています。

 

おわりに

 

これら五つの事例からもわかるように、児童・生徒は、学校・地域社会・家庭それぞれの場で教育的影響を受けながら成長しています。

従って、三者がそれぞれに教育機能を発揮しながら、期待される効果をあ、げていくとともに、相互に補完し合うことによって、より全人的な人間形成が図られることが必要です。

特に、学校教育と社会教育の連携は学校で学んだ内容を社会教育の場で実践し、社会教育で体験した実践的なことがらを学校教育を通じて、さらに体系的に深め、両者の連携によって、それぞれの教育効果を一層高めるとともに、人間は生涯を通じて学ばなければならないという、生涯学習の態度養成に役立つものとしなければなりません。

今後さらに、それぞれの役割と連携のあり方について、改めて問い直す必要があるように思われます。

 

 

 


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