教育福島0125号(1987年(S62)10月)-034page
がんばり抜こうとする姿が多く見られるようになった。
(ウ) 業間の始め、終わり一全力走の隊形などの集団行動が機敏にできるようになった。
(エ) 一輪車、竹馬などは子どもたちが自分の能力に応じて意欲的に取り組み、業間以外でも進んで挑戦する姿が多く見られるようになった。
(オ) 今後、さらにいろいろな運動経験をさせたり、子どもたちが自主的に活動する場を増やして意欲的、積極的に取り組むようにさせたい。
2、研究の成果と今後の課題
(1) 研究の成果
1) 体力つくりについては、竹馬、業前マラソン、はだしの生活等の活動をとおした三年間にわたる計画的、継続的な実践により体力の向上がみられた。
2) 教科体育においては、学習カードの活用により、自ら課題意識をもち実践・評価と主体的に取り組ませる工夫をした結果、より課題の把握が明確になり、積極的に取り組むようになった。
3) 創意の時間を活用したみんなの広場を隔週ごとにもうけ、本校・分校一体となった縦割り班を編成し、児童自らが遊びの工夫をして実施した結果、学年のわくがはずれ仲良く遊ぶ姿が全教育活動をとおして見られるようになった。
4) 家庭への啓蒙と家族との活動の場をもうけ、家庭や地域社会との連携を図った結果、親子で運動する姿や学校外での活動が広がってきた。
5) 全職員が体力つくりの重要性を認識し、各研究班ごとに具体的に実践がなされ、それぞれの責任のもとで協力研究を推進し、職員の一体化が図られた。
(2) 今後の課題
1) 体力つくりの定着化のために、学校の教育活動をより充実させ「強い体と豊かな心をもつ江川っ子の育成」を継続して実践していく必要がある。
2) 体力つくりで養われた身体と心を他教科や学校生活の中にどう位置づけ、どう反映させるかについて検討を加え、具体的な手だてを考える必要がある。
3) 地域活動と学校生活の連携をより密にして、体力つくりについてより一層の生活化を図っていく必要がある。
二、学校保健、学校安全の充実
たくましい体と豊かな心を育てることは、学校教育において最も重要なことであり、児童・生徒の健康と安全は、学校生活の基礎をなすものとして、すべての教育活動を通じて行うことが強調されております。
申すまでもなく、近年の科学技術の進展に伴う生活環境や生活様式の変化は、児童・生徒の心身の健康や安全な生活に様々な影響を与えており、児童・生徒の健康、安全に関する施策の充実が重要な課題となっております。
県教育委員会では、学校保健、学校安全の充実を図るために、研究推進校を指定し、また、各種研修会等の開催により指導者の資質向上に努めるとともに、健康診断等の結果に基づいた保健指導、保健管理及び生命尊重を基調とした安全教育、安全管理の徹底に努めております。
今回は、各学校での保健・安全教育の充実に資するため、これらの施策のうち、文部省はじめ、県教育委員会等の指定を受けて、実践研究に取り組んでいる学校(表4)の研究概要を紹介します。
●学校保健関係研究推進指定校
すすんで自分の歯を
守る子どもの育成
いわき市立四倉小学校
1、研究主題の設定
本校の児童の実態をみると、むし歯被患率が高く、その予防や治療に対する意識も低い。
そこで、各学年それぞれの段階で、
表4 昭和62年度保健・安全関係文部省、福島県教育委員会等指定研究推進校