教育福島0125号(1987年(S62)10月)-035page
歯についての正しい知識を身につけさせ、むし歯予防に対する心構えを育て、予防に対する実践の習慣化を図っていくことは、児童の健康生活維持の面からも欠くことのできない教育活動と考え、「すすんで自分の歯を守る子どもの育成」を主題に設定した。
2、研究の基本方針
学校での保健指導を中心として、児童のむし歯予防に対する意識を高め、家庭との密接な連携により、むし歯予防活動の習貫化を図る。
また、基本的な生活習慣をしっかり身につけ、生涯にわたり、自己の健康増進に努力する児童の育成をめざす。
(1) 学校における教育活動では
1) 歯についての正しい知識を身につけさせる。
2) 児童一人一人がむし歯予防のねらいを持ち、健康つくりに取り組むようにする。
3) むし歯予防のための歯みがき活動の習貫化を図る。
4) 基本的な生活習慣を確立する児童の育成をめ、ざす。
5) 生涯にわたり、自己の健康増進に努力する児童の育成をめざす。
(2) 家庭や地域社会との連携では
1)PTAや学校保健委員会の活動を通して、むし歯に対する啓蒙を行うとともに、研究推進のための協力が得られるようにする。
2)学校でのむし歯予防の意識化を図り、家族全員の協力のもとに実践し、習貫化させるように努める。
3)関係団体一保育所、幼稚園、中学校一との連携強化を図り、一貫したむし歯予防活動が進められるようにする。
3、研究実践の概要
(1) 学級指導での実践
歯の保健指導にかかわる学級指導の授業研究を行い、種々の問題点や指導法について協議し、持に、「ねらい」や「原因の追求」 「問題解決の方法」などで、児童のむし歯予防に対する意識を高める手だて、むし歯予防のための正しい実践方法の工夫・改善にあたっている。
(2) 学校生活での実践
学級指導の時間で習得した知識や技能を確実に身につけ、予防活動の習慣化を図るには、学校生活をはじめ、日常生活を通して継続的に指導を行なわなければその効果は期待することができない。
そこで、次の事項について計画的に指導を展開している。
●歯みがき時間の指導
●個別指導
●習慣形成のための指導
●長期休業中の指導
●歯の日の指導
●児童活動に対する指導
(3) 学校と家庭、地域社会との連携
健康家族歯みがきカードによる歯みがきの励行や、各種たより、 「親子歯みがきによるむし歯予防」の標語の利いる。
また、講演会や授業参観を通しての保護者への啓蒙、幼稚園、保育所や中学校との連携を図り、むし歯予防の意識の高揚を図るとともに、学校保健委員会などの組織の機能の充実に努め、家庭、地域社会との連携を深めている。
4、研究の成果と問題点
実践研究二年目の成果と問題点は、(表5)のとおりである。
表5 研究の成果と問題点