教育福島0125号(1987年(S62)10月)-036page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

みずからの健康について見直し、すすんで健康つくりにはげみ続ける子どもの育成

安達町立油井小学校

 

1、研究主題の設定

本校の教育目標は、「進んで学ぶ子ども」 「心の温かい子ども」「たくましい子ども」を児童像とし、自主性に富んだ創造的な知性、感性豊かで、忍耐力のある子どもの育成をめざしている。これらの目標の実現をめざし、次の理由から「みずからの健康について見直し、すすんで健康つくりにはげみ続ける子どもの育成」を主題に設定した。

(1) 日常の学校や家庭の生活を通して活動的にすごしている児童にとっては、健康の喜びや幸せはあまり意識されていない。しかし、たくましく生き抜いていくためには、健康について深く考えなおす時期をむかえている。

(2) 学校教育においても、時代の要請をふまえ、健康教育を生涯教育の一環として見直し、健康つくりを進めることが必要である。

(3) 心と体の健康を保持増進していくためには、いま何をすべきかを考え、具体的な方策をたて、日常生活の中ではげみ続ける子どもを育てることが肝要である。

 

2、研究の基本的手順

三年間にわたる研究のめやすについて、その基本的な手順を(表6)のように定め、研究を進めていく。

 

3、研究実践の概要

(1) 授業研究による授業の質的改善

研究主題に迫る授業方法について研究を深めるため、学年ブロックで十分検討された指導案に基づき、授業研究を実施している。授業分析においては、観察の視点を設定し、客観性のある問題点をとらえるように努力している。

(2) 豊かな心を育てる活動

豊かな心を育てるための花いっぱい活動、働くことの尊さと喜びを体得させるための栽培活動、健康・体力つくりのための業間活動を実施するとともに、児童の自主性を育てるために、児童参加を考慮した行事の運営に努めている。

(3) 日常生活における健康つくり活動

日常生活において、自ら進んで継続的に活動することにより、自分の健康についてより関心を高め、はげみ続ける意欲を高めるために、健康相談の充実を図るとともに、はだしの運動、青竹踏み運動を展開している。また、むし歯予防のための歯みがき運動やフッ素洗口を実施し、更に、正しい食生活をめざした給食指導の工夫・改善にも努めている。

(4) 健康に関する実態把握と、それに

基づいた適切な指導

心と体に関する実態を調査し、それを健康白書としてまとめ、指導に生かすとともに、健康つくりに対する保護者の理解を深める資料としている。

(5) 地域、家庭との連携による健康つくり活動の実践

親子仲よし運動を展開し、親と子が共に仲よくスポーツやレクリェーション活動に参加する機会を設け、楽しい健康つくりに取り組んでいる。

また、学校環境の整備作業にも親子共に従事する機会を設け、作業を通して健康つくり活動を実践している。

 

4、おわりに

本年度は、三年間の研究期間の中間年度である。健康つくり教育は、どのようなところがらどのようになすべきか模索しながら現在実践中である。

研究の成果については、今後詳細に分析することになるが、「子どもがこう変わってきた」そうとらえることのできる研究でありたいと願っている。

また、この研究を契機に、いつまでも継続される、伝統といわれる重みをなす教育実践を積み重ねていきたい。

気持は先をいそぐが、足もとが定まらないような一年次の研究を終え、二年次を迎えた本年は、全教師、そして、PTA会員の共通の理解の努力があって、現在、ささやかではあるが、研究

 

表6 研究の基本的手順

表6 研究の基本的手順

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。