教育福島0125号(1987年(S62)10月)-037page
の推進にあたっているところである。
●学校安全関係研究推進指定校
自ら考え、安全に行動
できる生徒の育成
新鶴村立新鶴中学校
1、研究主題の設定
生徒の日常生活における行動は、無意識的なものが多く、改善していく必要がある。社会生活において、生命尊重という理念のもとで、意識的に自らの生活をより安全に向上させることのできる生徒の育成をめざして、「自ら考えて、安全に行動できる生徒の育成」を主題に設定した。
2、研究の基本方針
(1) 本校の教育目標達成のための重要な教育活動として位置づけ、全職員が一体となった研究体制つくりをする。
(2) 生徒の実態に即した現実的、日常的な研究をすすめる。
(3) 生命尊重の理念に立ち、生徒の「健康・安全に生きる力」の形成に向けて、効果的な実践の方途を追求する。
(4) 教育活動の全体を通じて、計画的組織的に取り組み、指導の日常化を期し、指導の機会や領域、内容の中核化、重点化を図り、研究実践に努める。
(5) 生徒の自主的活動を助長し、安全な生活に対する主体的態度の育成を図る。
3、研究実践の概要
校内研究組織として研究推進委員会を設置し、その中に調査研究部・安全指導部・安全管理部の三部を設けて、部別にそれぞれの領域の研究にあたっている。
各部の研究の成果を持ちより、委員会で実践方法について協議し、それに基づいて安全教育、安全管理の実践研究に取り組んでいる。
各部の研究・実践事項は次の通り。
(1) 調査研究部
一年生を対象としたAPP検査や、全校生を対象とした安全に関する意識調査、生徒の生活行動調査を実施して、生徒の安全に関する実態を把握するとともに、各種の資料収集を行い、教師、生徒、保護者に対して資料を提供し、学校安全に関する啓蒙にあたっている。
(2) 安全指導部
○教科指導について
安全教育は、すべての教科で行うのが理想であることから、各教科ごとに、安全に関する授業内容の取り扱いや、望ましい学習態度の育成について研究し、共通理解のもとで教科指導にあたっている。
また、教科における用器具の安全点検や安全な取り扱い方の指針を打ち出し、その徹底にも取り組んでいる。
特に、保健体育の授業については、事故発生の可能性が高いことから、敏捷性を養い、安全な行動がとれるように、その内容の工夫に努めている。
○道徳について
調査研究部の資料をもとに、日常生活における基本的な生活行動様式を理解させ、また、集団における道徳性規範の重要性について認識を深めさせる指導の研究にあたっている。
更に、自他の立場を尊重し、誠意をもって人に接する態度の育成に関する指導内容の研究実践に取り組んでいる。
○特別活動について
安全な生活習慣を身につけさせるために、学校行事や学級指導の内容を検討するとともに、安全指導に関する時数の確保に努めている。
生徒活動においては、自主的な活動により、安全意識の高揚を図るための行事を多く取り入れている。
また、特別活動全体を通して、安全な集団行動のあり方について指導している。
(3) 安全管理部
○人的管理について
健康診断、体力診断、知能検査や性格検査の結果をもとに、事故災害発生の要因となる心身の状態の把握、分析に努めている。
また、生徒の校内・校外での日常生活の行動観察から危険性を予測し、それに対する安全指導の徹底に努めている。
緊急な事故災害発生に即時に対応できるように救急体制を確立し、万一にそなえている。
○物的管理について
校舎内外の施設・設備については、定期あるいは臨時の安全点検を実施し、更に、常時使用する施設・用器具については、日常点検の徹底に努めている。
また、情操教育の観点からも、学校環境の整備、美化にも配慮している。
○組織活動
学校安全の充実を図るために、校内指導組織を確立するとともに、家庭、地域社会との連携を強化するために、学校保健委員会の機能の充実に努めている。
更に、必要に応じて、地域関係機関に協力を要請し、実効ある組織活動となるよう努力している。
4、おわりに
研究推進指定を受けた一年次は、全教職員の共通理解のもとで、研究組織体制が確立し、学校安全計画に基づく安全指導・安全管理が緒についた。二年次の本年度は、各部での反省や先進校視察で得たことをもとに、本校の実態に即した地域ぐるみの活動で安