教育福島0125号(1987年(S62)10月)-046page
研究実践
レポート
自己教育力を高める
体育の学習指導法
平方部体育研究同好会
−解説−
本論文は、昭和六十一年度県公立幼稚園・小・中・養護学校教職員研究論文に応募、入選されたものです。
いわき市平方部の先生方が、主題に添って熱心に継続研究された優れた内容の論文です。なお、原稿執筆者は、長谷川義翁いわき市立好間第四小学校長です。
主題
どの子も生き生きと参加し、自己教育力を高める体育学習のために、学習形態をどう組織すればよいか。
一、研究の趣旨
すべての授業を子どもの立場からもう一度見直し、運動の楽しさがわかるような「授業づくり」をめざして、昭和五十七年から継続研究を続けて四年目になる。その間、系統表の作成、器械運動における個に応じた指導法、グループ指導のポイントなどを見い出し、授業の充実に成果をあげた。
今年度は、前年度の評価と反省に立ち、一人一人の自己教育力を高めるための研究に取り組んだ。
二、研究内容
児童の実態を分析的、総合的にとらえ、明らかになったレディネスや反応をもとに学習形態を組織し、その位置づけ方や目標・内容の個別化などについて所期の目的達成に努めた。
会員は、各校で望ましい学習形態について実証的に実践研究を進めた。
三、研究のための仮説
児童の実態を的確に把握し、運動の特性・人的要因・用具の要因に応じた効果的なグルーピングを組織していけば一人一人が生き生きと参加し、自己教育力が高まり、確かな力をつけることができるのではないか。
四、研究実践の概要
(一) 各運動の技能内容の系統図の作成
五十七年度からの研究の結果から自己教育力の育成「みがき合う授業づくり」を図るには、教師が運動の特性をとらえ、人的要因・用具の要因の分析から学習形態を考える必要があるので技術内容の系統図を明らかにした。
(二) 自己教育カ育成を目指す学習形態
学習が主体的に行われ、自己教育力を高めるための各学習形態を次のようにとらえ、児童のレディネスに基づき組織することにした。
○ 体育科でねらう「ひとり学習」としての「がんばりカード」の利用。
○ 「めあて別グループ」と「ひとり学習」との相互関連。
○ 自己教育力の育成をめ、さす学習形態の位置づけと、全体構想の確立。
これらのことについて各校で検証授業を行い、累積して実証授業を組織する。
下欄に構想図の一部分を掲載する。