教育福島0125号(1987年(S62)10月)-050page
特色ある教育を目ざす
一高校の分校一
レポー卜 学校から〜
意気盛んな部活動
県立富岡高校川内分校
本校は、生徒数九十八名の極めて小規模な高校である。「もりあおがえる」で有名な詩人草野心平氏ゆかりの双葉郡川内村にある。阿武隈の豊かな自然の中で伸び伸びと活動し、村の高校として親しまれ地域の期待を担っている。
小規模であるがゆえにもつ教育的効果については非常に大きいものがある。一つは、先生、生徒の触れあいが家庭的であること。二つは、生徒数が少ないため、行き届いた教育活動ができることである。・熱心な先生方の指導のもと、確実にその実績が実りつつあることは喜ばしいことである。また本校では、学校裁量時間をロングホームルームに充て、毎週二時間連続で実施しており、勤労体験や基礎学力の補充など有機的な人間形成の場となっている。一時間は学級担任が、もう一時間は担任以外の全職員が指導している。
高等学校の分校は県内では数少なくなってきたが、分校という名によるイメージは決してよくない。生徒の中に根強く存在する劣等感意識を何とかしたいと、先生方も生徒も同じ気持ちで努力した。自信を持たせる、よその学校には負けないんだという自信を。長い年月を費やし情熱ある指導が続いた。
その結果持に部活動で顕著な成績を残した。運動部の活動はテニス、野球、ソフトの三部しかないが、全校生のほぼ七割がこれらに所属し活動している。
それぞれ地区大会を勝ち抜き県大会に出場している。特に野球部は、昨年へ今年と夏の県大会ベスト8入り、富岡川内分校の存在が広く県内外に知れわたった。優れた野球のセンスを持った生徒が入学してくるわけでもない。ごく普通の生徒たちである。しかし、土曜日も日曜日も祝日も休みはない。厳しい練習の連続がこの大きな成果を生んでいる。「やればできる」生徒たちの心の中にしっかりと息づいてきた。形よりも、物よりも、もっと大事なことを学び続けている。
小さな学校だが大きな学校以上にエネルギッシュである。
学校が活力を失えば学校ではなくなる。恵まれた自然環境とそして地域の期待に支えられつつ、今日もまた川内分校は活動し続ける。
生徒・教師の
人間的ふれあい
県立東白川農商高校鮫川分校
一、魅カある学校づくり
鮫川村の人口はこの二十年間で二千人近くも減少し、村おこしが重要な課題となっている。我が分校も現在、生徒数が五十名に減少しているが、魅力ある学校づくりを目指して、着々と努力しており、その結果に期待がもてる。
二、家庭的雰囲気をもつ学校
「A男どうした、顔色悪いぞ」、「昨日家の手伝いで疲れた」。「そうか、がんばれよ」、「先生、わたし悩んでるんだ」。「後で相談に乗るから来い」といった会話が校内に満ち満ちており、本校は教師との人間的ふれあいが活発で、家庭的雰囲気をもっていることが最大の特徴である。生徒サイドからみれば誠に楽しい学園である。また、新校舎が建築されて約五年、少人数での清掃にも力がこもり、澄み切った空気と、まわりの緑に囲まれた本当にきれいな
少人数ながら頑張る野球部