教育福島0126号(1987年(S62)11月)-030page
県立小名浜高校吹奏楽部」のアナウンスがながれると生徒たちの中には緊張が高まって泣き出す者が続出した。そして足が宙に浮いたままの十二分間の演奏は、あっという間に終った。すべてが終了し、全国大会出場は逃したものの、初出場で金賞を受賞することができ、表彰台に上る部長と副部長の姿は、部員たち、同行した父母会の人たち、そして、もちろん私の気持ちも一つになって感激の二文字以外のなにものでもなかった。
私は生徒たちにこの様な素晴しい機会をあたえてくれた方々に、心より感謝の気持を伝えたい。そして私も生涯思い出に残る青春を味わえた喜びでいっぱいである。
(県立小名浜高等学校教諭)
東北大会で熱演する小名浜高吹奏楽部
第四十回県文学賞の受賞者
昭和六十二年度第四十回県文学賞の受賞者が十月十三日決定し、十一月三日の文化の日に県文化センターで表彰されました。晴れの受賞者は次のとおりです。
一、小説部門(六名)
●準賞 「晩春 杜へ」
辻由子(福島市=短大講師)
●準賞 「どうしょうもなかった男」
大室宏一(須賀川市=無職)
●奨励賞 「坂道」
齋藤恵子(船引町=高校教諭)
●奨励賞 「蝉」
水野修(いわき市=大学生)
●青少年奨励賞 「夏の風」
塩澤徳子(福島市=高校生)
●青少年奨励賞 「夕映えの構図」
三浦純子(福島市=高校生)
二、詩部門(六名)
●文学賞 「奇妙な容器」
齋藤貢一(船引町=高校教諭)
●文学賞 「ゆれる家」
鈴木八童子(いわき市=無職)
●奨励賞 「世界は終わらない」
藤井智子(いわき市=団体職員)
●奨励賞 「稲作りからの話(2))」
佐々木勝雄(小高市=農業)
●青少年奨励賞 「脳の次元」
湯田正利(郡山市=高校生)
●青少年奨励賞 「月光」
宗像久美子(船引町=高校生)
三 短歌部門(四名)
●文学賞 「座標移動」
粟城永好(会津若松市=小学校教諭)
●準賞 「雪」
田村由岐(桑折町=雑貨商)
●奨励賞 「日々のかたみに」
今泉暁美(船引町=無職)
●奨励賞 「片あしの虹」
大木千代(福島市=無職)
四、俳句部門(六各)
●文学賞 「瘤のある木」
小室実(白河市=無職)
●準賞 「赤き馬ゆく」
森忠一郎(天栄村=農業)
●奨励賞 「潮騒」
馬目 弘平(いわき市=高校教諭
●奨励賞 「糸電話」
坂口フチ子(喜多方市=小学校教諭)
●奨励賞 「蛍川」
山本冶三郎(鮫川村=無職)
●青少年奨励賞 「十八の春」
佐々木義史(いわき市=大学生)
表紙写真について
ツリフネソウ(ツリフネソウ科)
山の湿地に自生する一年草で、さやのはじける力で実を遠くに飛ばし、こぼれ具合によっては大群落をつくる。円筒状の花がふぐ提灯のように枝からぶらさがるので“釣舟草”といわれる。花色が黄色の、“キツリフネ”もある。
(撮影地・猪苗代町)
コキンレイカ(オミナエシ科)
山地の岩場に生える二十〜六十センチメートルの多年草パクサンオミナエシともいう。秋の七草の一つとして有名な高原で見られるオミナエシの高山性のもの。
(撮影地・山都町)
オニノヤガラ(ラン科)
茎も葉も黄赤色で通常の葉は無い。マツやクヌギ、コナラなどの雑木林の木陰にナラタケと共生して生える。和名は「鬼の矢幹」、“ドロボウのアシ”の名もある。
(撮影地・磐梯町)