教育福島0126号(1987年(S62)11月)-031page

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公演「交響楽のタベ」が行われ、また、歴史資料館においては「福島県の災害資料展〜主として古文書古記録にみる」を開催するなど、芸術の秋を盛りあげることになっている。

今年度前半には、少年劇場・親子劇場・家庭劇場と幼・児童・生徒向けの舞台芸術が多くの感動を残して終了したのをはじめ、各種の講座・普及事業などが好評を博した。

 

十二、福島県立美術館

 

昭和五十九年七月に開館した福島県立美術館は、県民に親しまれる文化施設として着実な歩みを示している。

昭和六十二年度の美術館事業の概要および予定は次のとおりである。

 

1、企画展

(1)「近代日本水彩画展」

四月十一日〜五月十日

浅井忠、三宅克巳、丸山晩霞、大下藤次郎、中西利雄ら明治から戦前に活躍した画家たちの水彩画の名作約二百点を展示した。

(2)「ピカソ展」

五月十六日〜六月二十一日

二十世紀美術最大の巨匠といわれるハブロ・ピカソの初期から晩年に至る日本未公開の作品(油彩・素描・陶器)百五十点余を展示した。

(3)「第二回具象絵画ビエンナーレ展」

六月二十七日〜七月二十六日

昭和六十年度の第一回展に続き、わが国の現代洋画における多彩な具象的表現の現況を二十五名の作家、約八十点の作品により紹介した。

(4)「大原美術館所蔵品展」

八月一日〜九月六日

大原美術館が所蔵する内外の現代美術作品に焦点を当て、カンディンスキーからウォーホルに至る二十世紀の多様な美術を紹介した。

(5)「大山忠作展」

九月十二日〜十月十一日

二本松市出身で、現代日本画壇を代表する大山忠作の画業を、初期から今日に至る全画業の代表作を中心とした約八十点により回顧する。

(6)「現代東北美術の状況展2)」

十月十七日〜十一月二十三日

日本画・洋画・版画・彫刻の四分野で活躍する東北六県出身の作家四十五名の作品百二十点によって、現代日本美術の動向を紹介する。

(7)「今日の北欧デザイン展」

二月十三日〜三月二十一日

今日、幅広い分野で世界中に大きな影響を与えている北欧のデザインを、特に私たちの生活に密着した機能性に焦点を当て紹介する。

 

2、常設展

美術館の収蔵美術品等を系統的に展示し、三か月に一度の展示替えを行うなど、作品の保全を図りながら鑑覧に供している。また、拡大常設展では、テーマに沿って収蔵品を追加紹介してゆく。

拡大常設展

前期 十二月五日〜十二月二十日

後期 一月九日〜一月三十一日

 

3、収集

近代美術の流れを展望するにふさわしい作品の充実に努力しており、本年度は、村山椀多、木村荘八、浜口陽三、オノサトトシノブ等の作品を収集している。

 

十三、福島県立博物館

 

昨年の十月十八日に開館した県立博物館は、二年目を迎え、常設展・企画展を中心に県民に親しまれる博物館として定着し、入館者数も予想をはるかに上回っている。

昭和六十二年度の事業概要は次のとおりである。

 

1、常設展

本県の歴史の流れを時系列に沿って原始・古代・中世・近世・近現代と展示する歴史展示と、歴史の舞台となった自然と人間のかかわりあいをテーマとする展示によって構成されているっ

 

2、部門展

自然・考古・歴史美術・民俗の各々独立した展示により構成されている。テーマ性の高い専門的展示を行い、常設展示を補い理解を深めることを目ざしている。

 

3、企画展

(1)「福島の顔」

四月十八日〜六月十四日

顔を表現した造形物を集めることにより、時代を超えた顔に対する思い入れや顔を媒介とする人間行動の一側面を明らかにした。

(2)「植物化石」

七月十八日〜九月十五日

二十億年をこえる植物の歴史を豊富な化石資料で再現し、発展の多様性や地球環境とのかかわりあいを考えさせるものであった。

(3)「会津の仏像」

十月十七日〜十二月十三日

県内三地方のうち会津地方の仏像を年ごとに充実する県芸術祭

 

 

 

 

 


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