教育福島0126号(1987年(S62)11月)-039page

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教育ひとくちメモ

 

地方公務員共済制度

 

福利課

 

一、地方公務員共済制度

地方公務員共済制度とは、相互救済の精神に基づき地方公務員の組織する共済組合が、組合員の掛金と地方公共団体等の負担金によって、組合員のために健康保険及び厚生年金保険を代行する短期給付及び長期給付を行い、また福祉事業をもあわせ行う、というしくみの制度であり、いわば職域的、総合的社会保険の性格を有する制度です。

これは、明治憲法下における官公吏制度を廃止し、近代的公務員制度が確立されたことに伴い、地方公務員の生活保障制度として、従前の恩給制度、退隠料制度及び共済組合制度を統合一元化することにより、昭和三十七年に制定されたものです。

この制度の目的とするところは、組合員である地方公務員とその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するとともに、公務の能率的運営に資することにあります。すなわち、この制度による生活保障を裏付けとして、地方公務員が安心して公務に従事することにより能率的な公務の執行が確保され、国民の期待に応えることができるよう所期されているのです。そのため、共済組合の行う給付の内容、水準は一般におけるものよりも比較的高いものとなっております。

 

図1 職員の区分による所属共済組合

二、組合員と被扶養者

 

二、組合員と被扶養者

組合員とは、常勤の地方公務員であり、その職員となった日から当然に組合員となります。したがって、知事、副知事、出納長等の特別職の職員であっても組合員になりますが、非常勤職員、臨時職員は組合員になれないことになります。

被扶養者とは、組合員に扶養されている親族等で一定の範囲のものであり、被扶養者に対しては短期給付が行われ、さらに福祉事業の対象者になることができます。

この被扶養者は、次に掲げる者で、主として組合員の収入により生計を維持していることが要件とされています。

(1) 組合員の配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)、子、父母、孫、祖父母及び弟妹

(2) 組合員と同一世帯に属する三親等内の親族で(1)に掲げるもの以外のもの

(3) 組合員の配偶者で届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあるものの父母及び子並びに当該配偶者の死亡後におけるその父母及び子で、組合員と同一の世帯に属するもの

 

三、掛金と負担金

共済組合の事業に要する費用は、掛金及び負担金をもって充てています。

掛金とは、組合員から徴収するもので、組合員の給料を標準として算定しています。

負担金とは、地方公共団体等が負担するもので、短期給付、福祉事業に要する費用については組合員と折半し(二分の一負担)、長期給付に要する費用については公費負担部分(基礎年金拠出金の三分の一)を負担するとともに、残りの部分を使用者として組合員と折半して負担することになっています。

 

四、短期給付と長期給付

共済組合は、組合員の病気、負傷、出産、死亡、休業若しくは災害又は被扶養者の病気、負傷、出産、死亡若しくは災害に関し、保健給付、休業給付、災害給付の三種類の短期給付を行い、また、組合員の退職、障害又は死亡に関し、退職給付、障害給付、遺族給付の三種類の長期給付を行います。

この「短期給付」及び「長期給付」という名称は、給付期間の長短により区分されると思われがちですが、これは、それぞれの費用計算における視野の長短により生まれた名称です。

すなわち、短期給付に要する費用と掛金及び負担金は単年度毎に計算されますが、長期給付に要する費用と掛金、負担金及び予定運用収入の合計額は将来にわたって均衡を保つよう長期的視野に立って計算されます。

 

五、福祉事業

共済組合では、組合員及びその被扶養者の福祉の増進のため、健康診査、資金の貸付け、保養施設・病院の経営等の福祉事業を行います。

 

 

 


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