教育福島0126号(1987年(S62)11月)-045page
(三十四・五パーセント)を超え、女子教員の所有は千台(十七・○パーセント)を超えています。
ワープロの学校所有と個人所有を合わせ、パソコンのワープロ利用も含めると、実質的には、ほとんどの県下小・中学校に導入されていることになります。
三、県下小・中学校におけるコンピュータ利用の状況
学校所有のパソコンは、ワープロとして利用されることが多く、ソフトウェアも用意されています。成績処理、統計処理、データベース等、CMIとしてのソフトウェアも多くはありませんが整えられています。授業では、ドリル学習に利用されることが多く、学習指示、課題解決、情報提示等のコースウェア学習に利用されることは、さほど多くはありません。
個人所有のパソコンは、ワープロとしても利用されていますが、CMI・CAIとして、むしろ積極的に活用されています。しかし、学習指導の中では、同じようにドリル学習に利用されることが多くなっています。
学校所有のパソコンも、個人所有のパソコンも、個別学習に重点をおいて活用されています。
ソフトの開発は、ほとんどが自宅で行われています。
今回の調査結果を見てみますと、パソコンの多様で高度な活用については今後に課題が残されています。しかし、そのための校内研修は、まだ十分には行われていません。
全体としては、経済的にも労力的にも大きな負担を負いながら、児童・生徒一人一人の充実向上を願って、懸命に未来への道を模索しているように思われます。
四、「学習内容」・「学習方法」としてのコンピュータ
コンピュータが社会のシステムの中で機能するようになると、「道具」としての知識や使い方が、日常生活の常識の一部になると思われます。
また、コンピュータを利用して、記録整理、成績処理、文書作成等々の情報処理をしたり、学習指示、情報提示、課題提示、情報検索、学習定着等の授業展開をしたりすることが、教育活動の一部に加わるようになると思われます。
コンピュータを「わかる」「つかう」「つくる」中で、光と影の部分に十分対処しなければならないと考えます。
五、おわりに
コンピュータの学校教育利用の有効性と限界については、必ずしも明確になっているわけではありません。人間がいてコンピュータがある、教育があってコンピュータがあるということだけは確かなことです。
※本稿で使用した県下小・中学校の導入・利用状況は、教育庁義務教育課の調査結果を借用しました。
※高等学校や当教育センターのマイクロコンピュータを利用した情報処理教育については、本誌「教育福島」86年11月号の40・41ページを参照して下さい。
学校所有パソコンの利用状況
〔市販ソフトウェア利用の全体状況〕
〔授業の利用状況〕
個人所有パソコンの利用状況
〔利用の全体状況〕
〔学習指導の利用〕
■授業の利用形態
■ソフト開発の場
■パソコンの校内研修
・研修有……24.7% ・研修無……46.9% ・計画中……28.4%