教育福島0126号(1987年(S62)11月)-047page

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トルを歩くことはとにかくつらくがまんを強いられる。ふだん意識しない風景、風や水は、登山を通してその値打ちがわかる。頂上を征服した喜びとともに印象に残る体験となったようである。

(二) 各活動での創意工夫

○住まいづくりは、丈夫で住みやすさをねらいとして工夫させた。竹の支柱のどこをどのように結べば丈夫にできるか「玉結び」でゆわえたり、入口と窓の位置や形を考えて、かやで編んだり、花や旗で飾ったりして、ねらいに向けて工夫がみられた。

○お祭りの出店は、班の名物料理を考えさせ、自分の出店に仲間がたくさん食べに来るよう工夫させた。

どんな料理にするかを相談し、つくる材料の買い物から、調理、盛り付け後始末まで、各班とも創意工夫を働かせ、お好み焼きやスパゲッテーなどの料理が出店に並べられた。料理の途中では、限られた調理用具を工夫して使い、ふだんでは使用しない方法を編み出し、巧みに調理する姿がみられた。

(三) 交友関係の醸成

全く知らない仲間であったが、朝夕五回の炊はん活動一つをみても、回を重ねるにつれ、調理は女子、薪運びは男子といった社会通念にとらわれず、相互に協力し合い活動できた。また、先輩後輩としてのことば遣いや接し方になごやかな中にも規律ある態度がみられるようになり、リーダーの育成の上からも、望ましい交流が図られた。

 

親子白銀のつどい

 

会津少年自然の家

 

一、事業の概要

このつどいは、「自然に親しむ親子のつどい」第二部として開催されるもので、第一部夏の「親子キャンプのつどい」とともに、多くの参加者から好評を博している冬のメイン事業である。

(一) 目的 親子でスキーを楽しむことを通し、親子のふれあいと他家族との交流を図り、よりよい人間関係を育てる。

(二) 期日 一月下旬の(土)(日)の一泊二日

(三) 会場 当施設内の運動広場並びに会津坂下町営スキー場

(四) 参加対象者 県内に在住する小・中学生とその親または、親子グループ(定員 一〇〇名)

(五) 主な日程・内容 (表2)

 

表2 日程と内容

表2 日程と内容

 

(六) 諸経費 一人千六百円(食費、洗濯代、写真代)他にリフト代

二、研修活動の実態と成果(前年度に実施した状況)

(一) 参加人数三十組の親子九十八名

(二) スキー実技 初級・中級・上級ごと十名に一名の講師がつき、直滑降・斜滑降・プルーク・プルークボーゲンなど能力に応じて実施した。

(三) 映画のつどい 人間の生き方を示唆する内容の映画を上映し、親と子で感動を語り合う場とした。

(四) 成果 公認指導員の懇切丁寧な指導により、参加者がスキーの楽しさを体験できたこと。また、他家族との交流も深められ、社会性の伸長に役立ったことなどがあげられる。

(五) 参加者の感想

1) スキーの初体験の親(郡山市)

「家族四人で転び合っては、顔を見合わせて笑いました。世代を越えて感動を共にしたことが最大の収穫でした」

2) スキーベテランの祖父(三島町)

「小学生の孫と一緒に、好きなスキーが出来てうれしい。これから何年もスキーを楽しんでみたい」

 

親子いっしょのスキー教室

おわりに

 

おわりに

 

今、少年たちに真に必要な教育のあり方が求められています。

特に、豊かな自然とのふれ合い、他者とのふれ合い、生活にかかわる勤労や規律など集団宿泊を通して直接体験をさせることが青少年の健全な発達のために欠くことができないものであり今後とも各施設における各種事業の充実に努めていきたいと考えます。

 

 

 


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