教育福島0127号(1987年(S62)12月)-008page

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特集〔1〕

 

学習指導の展開

 

豊かな人間性と創造性をはぐくむ学校教育の推進

 

学習指導の展開

義務教育課

 

はじめに

 

県指定教育課程研究校の公開発表会が、去る十月二十八日に郡山市立郡山第二中学校で、十月二十九日にはいわき市立平第六小学校で行われ、二年間にわたる研究の成果を披露した。

両校とも、学校の教育目標の具現と当面する課題の解決に向けて、教育課程の編成及び実施について研究を深め実践を積み重ねできたものである。

平第六小学校では、「児童自ら問題にとりくみ追究する力の育成」を研究主題とし算数科を窓口として、望ましい教育課程の編成、実施について研究に取り組んできた。特に基礎的・基本的事項を確実に定着させるための年間指導計画の改善や児童一人一人が自ら問題に取り組み追究する力を育てるための授業のあり方を中心として研究を深め、児童一人一人の多様な考えをもとに、問題解決のための追究力を育てるなどの成果を上げている。

郡山第二中学校では、「一人一人を生かす教育課程の研究」を主題とし、副主題として「望ましい学習集団形成を通して自己向上をはかる」を設定して研究を深めてきた。

特に、全教科の実践の過程で、生徒一人一人の実態に応じた指導過程の組織化や、学習における個と集団のかかわり、学習における生徒一人一人の喜びや成就感を味わわせる手だてなど、各校に多くの示唆を与えている。

 

児童自ら問題にとりくみ追究する力の育成

−算数科における指導の研究−

いわき市立平第六小学校

 

一、主題設定の理由

 

今日の学校教育では「自己教育力」の育成が特に重視されている。私たちは日々の教育活動の中で、児童が主体的に学ぶ意志、態度、能力を育てることに努力しなければならない。

本校では、過去の研究の成果から、次のような学習態度面の育成が課題となっている。

○ 自ら問題に取り組み、筋道立てて考えようとする。

○ 課題の難しさにへこたれず、粘り強く解決しようとする。

これらの態度の育成には、授業の見直しをし、特に児童が能動的に活動する学習場面を設定したり、児童の思考の過程を大切にしたりすることが肝要であると考える。

算数科は、本校で過去に研究教科としていた経緯もあり、共通理解も図られているので、算数科を窓口として、本校教育の見直しをしたいと考え、本主題を設定した。

 

二、研究内容

 

(一) 年間指導計画の改善

(二) 問題解決的な指導過程の工夫

 

三、研究の概要

 

(一) 年間指導計画の改善

次の手順により、年間指導計画の改善を図った。

(1) 学習指導要領により学年目標を確かめる。

(2) 教科書によって単元配列と指導内容の構成を把握する。

(3) 学習指導要領の内容をもとに教科書の内容を検討し、単元の目標を知識・理解・技能・態度などの面からおさえる。

(4) 単元の目標を、指導区分から考慮して、一時間ごとの発展系列を吟味しながら毎時ごとの目標をおさえる。

(5) 単元の基礎的・基本的事項については、学習指導要領の内容と照合し、精選・重点化を図る。

(6) 追究力育成の指導内容を選定し、研究テーマとの関連を明らかにする。

 

(二) 指導過程の改善

(1) 本校で実践研究中の指導過程(資料1)

(2) 自ら取り組み追究させるための本校での実践

1)「とらえる」段階

(ア) 望ましい教材

 

 

 


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