教育福島0127号(1987年(S62)12月)-013page
1) 作成上の方針と重点教材の明確化。
2) 一人一人を生かすための配慮と具体的な手だて。
3) 展開案の例示と、実践化への手だて。
一人一人を生かす展開案の一例を次に示す。
資料1は理科の展開の構想として作成したもので、学習形態、テーマにせまる手だてが明記してある。
(二) 一人一人を生かすための研究内容をおさえ授業の充実につとめた。
一人一人を生かす授業にするためには、生徒が主体者であるという考えに立ち、次のことを実践した。
1) 学習への意欲を高める授業
(ア) 学習のねらい(目標)が生徒自身にある。
(イ) 学習する事柄に興味・関心がある。
(ウ) 個々の生徒が解決の喜びを味わえる教材内容である。
学習意欲を高めるために、本校では課題解決学習を進めることに重点をおき、課題設定の仕方を工夫した。身近な教材や生徒の実態に即した課題づくりとして、社会科の例では、興味・関心を高めるための身近な教材として「広報こおりやま」やインタビューなどをもとに地方自治を考えさせた。
資料2は、個々の生徒の考えや意見を大切にしながら学習課題をとらえさせようとした国語科の指導過程の例である。
2) 自分の力で主体的に学習が進められる授業。
(ア) 学習の手順がわかり、方法がわかる。
(イ) さま、ざまな角度から考えたり、解決したりする。
(ウ) 進んで取り組み、活動する。
個別にしかも自分の力で学習が進められるようにした例が、理科で用いたワークシート(資料省略)である。
3) 個の向上が集団の向上を生み、集団の力が個を高める授業。
(ア) 学習の成果が他に認められる、
(イ) 協力による学習の有効性、効率性を知る。
(ウ) 自己向上、集団の向上がわかる。
研究を進めるに当たっては、小集団(グループ)活動を重視し、個から小集団、全体へと指導の流れを位置づけ、さらに自己評価、相互評価を取り入れ、自己の向上と集団の向上がわかるように配慮した。
資料3は、話し合い活動のプロセスと評価の観点である。
資料2 指導過程
ワークシートを使って学習する生徒
自分たちで進める話し合い活動
五、研究の成果と今後の課題
本研究は全教科、全領域にわたって行われたことにより、全職員が一致協力し、全校あげて研究に取り組むことができた。主題の内容からいえば、短