教育福島0127号(1987年(S62)12月)-020page

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商業

 

学習意欲を高めるためのパソコンの指導法

 

県立小名浜高等学校

教諭 竹内茂樹

 

一、はじめに

本校では昭和五十九年度末に、パソコン(FM−11)二十四台が導入された。その後、六十一・六十二年度にわたって生徒にパソコンヘの興味・関心をもたせ、学習意欲を高めるために、どのように活用したらよいかというテーマで、県教委から研究の指定を受けた。研究分野としては、商業・理科の二教科を対象として取り組んだ。

 

二、研究課題

1、社会経済の中で利用されているパソコンの利用を理解させるため、Basic言語による基本的処理のプログラミング学習の意欲をどのように高めるか。

2、ワープロの諸機能を活用して商業通信文や諸統計表の作成について、興味、関心をもたせ習熟させるにはどうしたらよいか。

3、総合実践の学習の中で、意欲をもって取り組ませるため、生徒たちが開発したプログラムをどのように活用したらよいか。

4、「物理」の学習におけるシミュレーション学習の効果についてどの分野を対象とするか。本稿では、商業の研究対象科目のうち、情報処理教育の中心科目である「プログラミング基礎」についての概要を紹介する。

 

三、研究実践概要

(一)、研究内容

1、Basic言語学習によるプログラミングの基礎・基本の習得。

2、情報処理実習日誌の作成及びエラーチェック一覧表の作成。

3、職業資格等の取得奨励

(二) 昭和六十一年度の研究目標

1、情報処理教育の体制づくり

ア、夏休み、冬休み、考査期間中に外部講師による校内研修会を開催した。

イ、先進県、先進校の視察をする等校外研修会への積極的な参加をした。

2、複数指導体制の確立による個別指導の徹底を図った。

パソコン一台を二人の生徒が利用する形態であるので、巡回指導を行い一人一人のつまずきをチェックした。

3、意識調査の分析。(変容をみるため六十一年度と六十二年度と比較した要約を次に示す一

ア、半数以上の生徒が、興味・関心をもって学習していることがわかった。

イ、文法が複雑でしかも速度が速いので理解が困難という生徒が半数いた。

ウ、フローチャートを作成することがむずかしいと答えている生徒が多数いた。

(三) 第一年目の研究成果

昭和六十一年度の研究目標の実践によって、生徒はパソコンに対するアレルギーが無くなり、放課後も積極的にパソコン室に来てプログラム作成に打ち込む姿をみせるようになった。また、情報処理検定にも意欲的に取り組むようになり、かってない受験者数と合格者数を出したことは、教師の研究校としての自覚に基づく熱意を、生徒が敏感に感じとったことに他ならない。参考までに、研究指定を受ける前の昭和五十九年度入学生と研究指定を受けた後の昭和六十年度入学生の二年生のときの情報処理検定試験合格者数を資料1に示す。このことから、四倍以上の合格者数の示すとおり、研究テーマである「学習意欲を高めるためのパソコンの活用について」の研究目的が実現していることがうかがえる。

しかし、合格率については、まだ五十パーセント以下であり、二年目の研究実践によるアップが必要である。

 

資料1 全国商業高等学校長協会主催情報処理検定合格者数

(四) 昭和六十二年度に向けての改善策

 

(四) 昭和六十二年度に向けての改善策

前記意識調査の分析と昭和六十一年度全国商業高等学校長協会情報処理検定試験の結果の分析で、つまずきの原因がわかったので、次のような目標を立て、実践することにした。

1、情報処理実習日誌の分析

2、エラーチェック一覧表の分析

3、習熟度の低い生徒には放課後補習を行うことによる個別指導の徹底

(五) 昭和六十二年度の研究計画

1、年間学習指導計画の立案

資料2のとおり(三年の指導計画を略す。)

2、指導目標

ア、二年生のプログラミング基礎で全商情報処理検定三級の範囲の基礎・基本を十分に学習させる。

イ、三年生のプログラミング基礎は、実務的なデータ処理を行うため、大量迅速なファイル処理ができる範囲まで学習させる。

ウ、情報処理検定試験の上級への取得指導をする。

2、指導の留意点

 

 

 


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