教育福島0127号(1987年(S62)12月)-036page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

社会的側面から総合的にとらえて、生涯を通じて健全で豊かな家庭生活、社会生活を送るために何が大切であるかという観点に立って、次のようにとらえることができます。

一、男性又は女性としての自己の性の認識を確かにさせる。

二、人間尊重、男女平等の精神に基づいて男女の人間関係を築くようにさせる。

三、家庭や社会の一員として必要な基礎的、基本的事項を習得させる。

四、心身の発達に適応し、当面する諸問題を解決する力を養わせる。

五、人間としての望ましい生き方を学ばせる。

 

三、学校における性教育の位置づけ

文部省の定める学習指導要領には性教育について具体的には記されていません。しかし、生教育が人間形成教育であり、人格完成を目指す教育であるという観点に立つと、その指導内容は全領域・分野を検討し、人間の性に関係する内容を選択設定し、相互の有機的な関連を図り、系統性をもって教育課程に位置づけることが必要となってきます。

教育課程における生教育の位置づけは、表1のようにまとめられます。

 

表1 学校における性教育

表1 学校における性教育

 

四、本県の学校における性教育の実践状況

各学校においては、教科を中心として、特別活動や学校行事等で性に関する指導や援助を行っていますが、その実践に当たっては、一時的、断片的な指導に終わっている傾向がみられます。

県学校保健協会の調査(昭和六十一年度)によると、性に関する指導の全体的な年間指導計画の作成状況は表2の通りです。

これによると、教育課程の各領域・分野を統合した全体指導計画に基づき生教育を実践している学校は、小・中学校及び高等学校をあわせても約十二パーセントです。特に中学校においてはその割合は他に比べて低く、生徒の心身の発達段階からみて、より一層計画的指導が望まれるところです。

なお、性に関する指導の全体計画の作成並びに指導の実践に当たっては、「学校保健・学校安全の手びき」(県学校保健協会編)等の指導資料を参照願います。

次に、西郷村立熊倉小学校と郡山市立郡山第一中学校の性教育の実践状況を紹介します。

 

表2 性に関する指導の全体的な年間指導計画の作成状況 (昭和61年度県学校保健協会調)

健康で明るい子どもの育成をめざした性教育の実践

 

健康で明るい子どもの育成をめざした性教育の実践

西郷村立熊倉小学校

 

はじめに

性教育については、その重要性、必要性が論じられてきているが、大部分の学校は系統だった年間計画がないのが現状であると思う。

本校においても同じ状況にあるが、五年前から健康で明るい子どもの育成をめざした性教育を実践しているので、その概要について述べてみたい。

 

一、教育活動の中で性教育と関連のある領域と内容

1、性教育と関連のある領域

性教育は、全ての教育活動を通して実施しなければならないが、本校では、教科(体育・家庭・理科)、道徳、学級指導の各領域を中心として、それぞれの内容に関連づけて実施している。

 

2、性教育と関連のある主な内容

 

二、実践例

 

二、実践例

(1) 保健学習

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。