教育福島0128号(1988年(S63)01月)-040page
研究実践
レポート
教育研究グループの成果
1「バイオ技術研究グループ」
県立相馬農業高等学校
2「リトグラフ研究グループ」
いわき市内県立高校美術担当教員
はじめに
県教育委員会は、教員の自発的な研究活動の促進を図り、教員の資質の向上と指導法の改善充実に資するため、県内の小・中・高校教員の自主的な研究グループを対象として「福島県教育研究グループ奨励金補助事業」を行っている。
昭和六十一年度は高等学校関係として、県立相馬農業高等学校の「バイオ技術研究グループ」、 いわき市内の県立高等学校美術担当教員による「リトグラフ研究グループ」、 県立相馬高等学校・相馬女子高等学校の「英語研究グループ」の三グループが補助事業の対象として選ばれた。いずれの研究も、自主教材・教具の開発と学習指導のためのマニュアルを作成したものである。今後の学習指導のあり方について大変参考になるものと思われる。
今回は三グループのうち「バイオ技術研究グループ」と「リトグラフ研究グループ」の研究成果の概要を紹介する。
農業高校へのバイオ技術導入に関する実践的研究
県立相馬農業高等学校
バイオ技術研究グループ
一、はじめに
二十一世紀を担う先端技術の一つであるバイオテクノロジーは、最近、その重要性が高まる一方で、農業分野への影響もはかり知れないものがある。このような中、農業高校においてもバイオテクノロジーを積極的に教育内容に取り入れていくことが是非とも必要であると考えられる。
本研究は、これらを背景として、農業高校へのバイオテクノロジー技術導入について、一年間にわたり研究したものである。
二、研究のねらい
本校におけるバイオテクノロジーへの取り組みは、昭和五十九年に開始された。これらの取り組みを土台として、
(一) バイオテクノロジー技術の教育課程上への位置、つけ
(二) バイオテクノロジー技術の教材化以上の二点を本研究のねらいとした。
三、研究実践
(一) バイオテクノロジー教育の目標
農業高校におけるバイオテクノロジー教育の目標は、次の二つの点から考えることができる。
第一は、バイオテクノロジーの基礎的・基本的な知識と技術を習得させ、技術の革新に対応できる農業経営者・農業技術者として必要な能力を養う。第二は、バイオテクノロジーの応用技術を理解させ、関連産業技術者として必要な能力と態度を養うことである。
(二) 教育課程上への位置づけ(バイオテクノロジー教育の学習構造)
本校では、新しい時代の農業教育をめざし、昭和六十二年度から学科再編計画(農業・園芸科の一括募集、農業・農業工学・園芸の三コース制の採用バイオテクノロジー・コンピュータ教育の導入)をスタートした。そして、これまで主として、園芸科の総合実習(草花専攻)や各科目の中で行っていたバイオテクノロジー教育を、園芸コースに次のように位置づけることにした。(表1参照)
また、園芸コースは、園芸関係科目とともにバイオテクノロジー、情報基礎等も学び、農業経営者・農業技術者
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マニュアルを手がかりに培地の作成