教育福島0128号(1988年(S63)01月)-047page

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子どもたちが、ふるさとの文化や自然に触れるとともに地域の人々との交流を通して郷土愛を育てるために地域ぐるみで取り組んでいる。

(一) 子どもたちの社会参加

(ア)、「ふるさと文化ふれあい教室」

世代間の交流事業として県の補助を受けて、特に高齢者とのふれあいを重視して子どもたちが郷土の自然や文化を直接体験を通じて理解することを目的として年間を通じて実施している。

(イ)、 「町民スポーツ大会、健康ウォーク」

町民全員参加を合い言葉にスポーツ大会を実施し、また、健康ウォークは、保健課との連携事業として町内各地区にウォークコースを設定し、健康づくりを兼ねた文化財や名所旧跡巡りを実施した。

(ウ)、子ども会・スポーツ少年団活動への参加

学校外での子どもの健全な遊びを育てるために地区単位で子ども会等を組織し、年間を通して活動できるよう育成組織の充実にも努めている。

また、住民総ぐるみで子どもたちの健全な生活態度の育成と豊かな情操を養うために「子どもフェスティバル」を実施した。

(エ)、青少年健全育成事業への参加

町ぐるみのあいさつ運動や、よい子カレンダーによる生活指導、そして家庭の日や毎月二十日の健全育成の日に町内一周の広報活動をおこなう等、青少年の健全育成の啓発活動を積極的に展開している。

(二) 学社連携の状況

(ア)、家庭や地域との連携を強化し、家庭の教育力の回復を図るため、各校とも創意工夫して親子共同体験を展開している。また、郷土愛を育てるためにふるさとの自然、文化財、産業等に直接触れる活動や、地域の人々と触れ合う活動を重視し、町内の人材あるいは民間企業の人材を指導者として活用している。

(イ)、学社連携の強化を図るため、学校、町教育委員会、公民館、各種団体等の行事の調整を行うとともに運営面での連携協力を得るよう努めている。

(ウ)、町内各小学校の学社連携の具体的実施状況は左記表2の通りである。

(三) 学社連携の成果

○ 子どもたちは、地域の活動に生き生きと参加するようになった。また、子どもたちの校外での活動に対して地域の人々の理解と協力が増した。

○ 地域の指導者を学校教育の場で活用し、ふるさとの理解や郷土愛の伸長に貢献した。

○ 学校、家庭、地域、企業、各種団体等、町民ぐるみで学習が展開されるようになった。

(町の人の人材活用によるカルタ遊びの明治小三年生作文)

 

明治かるたをやって、今までわからなかった明治のれきしがわかってきました。たとえば、明治地区を汽車がはしっていたなんてとてもしんじられませんでした。

また、きつねの出てくる伝説などがとてもおもしろかったです。このような伝説は、家のおばあさんから、あまり聞くこともなかったからです。

明治かるたで知ったこと、大事な心のたからものにしたいです。

 

おわりに

教育は、すべて愛である。町づくりも町民一人一人の家庭愛、そして郷土愛に基づく学習意欲に支えられた生涯学習によってこそ可能になるものと考える。そのためには、今後ますます生涯教育体制の整備が不可欠であり、その基盤整備を推進し学習社会の形成に向けてまい進していきたい。

 

表2 飯野町各小・中学校の学社連携事業実施状況

表2 飯野町各小・中学校の学社連携事業実施状況

 

 

 

 


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