教育福島0128号(1988年(S63)01月)-046page
生涯教育インフォメーション
生涯教育推進モデル市町村事業
生涯学習の町作りと学社連携
伊達群飯野町
はじめに
急速に進展、変容する地域社会の中で、住民一人一人がより豊かで生きがいのある人生を送るための学習の援助を行う生涯教育への期待がますます高まってきている。
我が町でも、人生の各時期における学習の充実に向け、飯野町生涯教育推進会議を設置し、生涯教育の条件整備に鋭意努力している。この稿では、生涯学習の町づくりの推進状況と特に本町がすすめている学校と社会教育の連携の概要を紹介してみたい。
一、飯野町生涯教育推進会議の設置
生涯学習の町づくりの推進方策の検討と生涯教育関連事業の連絡調整を行うことを主な目的として、町長を議長とする生涯教育推進会議を設置した。
二、生涯学習の町づくり推進事業
(一) 町民意識調査の実施
住民の生活志向や学習要求を知ることは、生涯教育を推進する上で不可欠であることから、町内の小学六年生、中学二年生、高校二・三年生全員計四百五十人、青年、成人、壮年、高齢者各二百人計八百人を対象に意識調査を実施した。
(二) 町民の生涯学習意識の啓発
町広報誌「飯野町だより」に「生涯教育シリーズ」を連載するとともに、「生涯学習いいの」を発行し、全家庭に配布している。
また、生涯教育講演会や生涯学習町民シンポジウムの開催、町民文化祭での先人の生涯学習を紹介する生涯学習コーナーの設置等により、町民の生涯学習に対する意識、啓発に努めている。
(三)学習情報の提供
公民館、各分館、教育関係機関・団体、学習サークル活動の紹介はもちろん、県や近隣市町村の学習情報の提供をするとともに、施設・設備の利用の仕方についても情報を提供している。
また、飯野町生涯学習人材登録名薄を発行し、その活用を図っている。
(四) 生涯学習諸条件の整備
公民館等の学級、講座の実施にあたっては、町民の意識調査の結果を十分踏まえるようにしている。
特に、青年、婦人、高齢者の各学級においては、国際化・情報化社会に対応した学習内容を編成するとともに、家庭教育学級、乳幼児学級では、学校や民間企業等との連携を密にして学習の機会の充実に努めている。
(五) 生涯教育関連事業の連絡調整
町民の生涯教育に関する事業を各課から収集し、関連する事業の連携調整を図っている。落ちこみのある分野については、学校、社会教育関係機関、団体、企業と町ぐるみで対応する手だてを講じている。
(六) 企業内教育の促進と連携
企業内で教育的事業を実施しているところは、十九社中四社に過ぎない。
その内容は、体力、健康づくり、趣味等で家庭教育に関することは実施されていない。そこで、就業する婦人が増えている現状を踏まえ企業との連携協力を図りながら学習機会の拡充に努めている。
(七) 地域小集団学習活動の促進
地域小集団学習サークルの活動状況について調査し、自主的な学習を促進するよう援助・指導に努めている。
三、生涯学習の町づくりと学社連携
お祭りに自作のみこしで参加する子どもたち
表1 「ふるさと文化ふれあい教室」学習計画