教育福島0129号(1988年(S63)02月)-002page
文化の窓「パスキンとエコール・ド・パリ」展
巴里の詩
会期 四月十六日(土)〜五月十五日(日)
会場 県立美術館
今世紀前半、芸術の都パリには世界各地から多くの芸術家が集まり、創造と芸術談議と遊興に明け暮れていました。ヘミングウェーがパリでの倦怠の日々を小説にし、マレーネ・ディートリッヒが銀幕に舞い、ジョセフィン・ベーカーがカジノ・ド・パリで踊っていた頃のことです。
画家や彫刻家にとってもパリはあこがれの都でした。その中でロシア、オランダ、東欧諸国、日本などからパリに来た若者たちは、モンマルトルやモンパルナス界隈に住み着き、
第一次世界大戦から第二次世界大戦までの間、それぞれの青春を芸術に捧げました。ジュル・パスキン、モイズ・キスリング、ハイム・スーチン、マルク・シャガール、藤田嗣治、それにマリー・ローランサンら、エコール・ド・パリ(パリ派)と呼ばれる画家たちです。
彼らの多くは異邦人であり、正規の美術教育も受けていない、いわは二重の意味で根無し草でしたが、貧困と不安に満ちた生活の中から、自己の感性を唯一のよりどころとして個性的な絵画を描いたのです。
この展覧会では、エコール・ド・パリのコレクションでは世界的な規模を誇る北海道立近代美術館の所蔵作品から、パスキンを中心にローランサン、シャガール、キスリング、スーチン、ヴァン・ドンゲン、藤田嗣治ら十三人の作品百三十点を展示いたします。愛と憂
愁に充ちた彼らの芸術の魅力とともに、なつかしき時代のパリの詩情を感じとっていただけることでしょう。
観覧料
一般・大学生七〇〇円(五五〇円)
高校生五〇〇円(四〇〇円)
小・中学生三五〇円(二五〇円)( )内は二十名以上の団体料金
ジュル・パスキン「花束をもつ少女」一九二五モイズ・キスリング「オランダの娘」一九二七
マリー・ローランサン「婦人像」1920
〔昭和63年度主要行事〕
(企画展) 開催期間
1)パスキンとエコール・ド・パリ(4/16〜5/15)
2)近代日本の陶芸(5/21〜6/26)
3)近代ヨーロッパ版画名作展(7/23〜8/21)
4)黒田清輝展(8/27〜10/2)
5)現代の日本画(10/8〜11/6)
6)「モネとその仲間たち」展(11/12〜1/15)
7)福島の美術家たちII(2/11〜3/21)
(普及事業)
本文46ページに予定表が掲載してあります。