教育福島0129号(1988年(S63)02月)-016page
特集2
昭和63年度
学校教育指導の重点
義務・高校・養護教育課
幼稚園教育
−総論−
幼児の生活の中・心は遊びである。幼稚密教脊のねらいは、幼児を取り巻く家庭や地域社会の案伏を踏まえ、幼児の主体的な遊ひを通して健全な自立を捉がし、集団生活の中で人間に対する信頼感、物事に対する興味・関心及ひ運動能力の基礎を培うことにある。
そこで幼児のより望ましい発達を助長するため次の点に努力する。
一 自園の特色を生かした創意ある教育課程を編成し、教育目標の具現に努める
(一) 幼児の心身の発達の実状や、地域・園の実態を的確に把握し、自園の課題を明確にする。
(二) 年度の重点目標を設定し、期ごとの幼児の望ましい発達の姿及び活動のあり方等について、全教師の共同理解を図る。
(三) 人とのかかわりをもつ力を育て、自然との触れ合いを重視した保育が展開できるよう、長期間の指導計画を作成する。
(四) 幼児の興味や関心、年齢や心身の発達状況、地域や園の実態を十分考慮し、その時期に最もふさわしい活動を吟味し、選択して、短期間の指導計画を作成する。
(五) 日常の保育活動の反省・評価の手だてを工夫し、指導計画の改善に生かすよう努める。
二 幼児期の発達の特性をとらえ、直接体験を充実させる指導法を工夫する
(一) 個々の幼児の発達の実状を理解し、個人差に応じた具体的・総合的な指導に努める。
(二) 幼児自ら遊びを見つけ、自己の課題をのり越えながら遊びを豊かに発展できるよう、場に応じた適切な援助・指導を工夫する。
(三) 一人一人の幼児が集団生活の中で、自己を表現する喜びを十分味わえるよう、温かい学級づくりに努める。
(四) 幼児の活動意欲を刺激し、望ましい活動を誘発する目的的な環境構成を工夫し、与える保育から自発性を促す保育への転換に努める。
三 基本的生活習慣・態度の形成に努めるとともに、健康・安全指導の徹底を図る
(一) 友達とのかかわりの中で、意欲的な態度や協力的な態度、及び自己発揮と自己抑制の調和のとれた自律的な態度や習慣を身につけさせる。
(二) 幼児の発達段階や興味に応じた楽しい遊びを工夫し、適切な運動量を与えるとともに、ルールを尊重する態度や習慣を育てる。
(三) 常に施設設備の安全点検を行い、潜在危険の発見と除去に努めるとともに、幼児自ら安全に行動しようとする意識を育てる。
四 研修体制を確立し、研修内容の充実に努める
(一) 各園における研究課題を明確にし、組織的・計画的に研修を進めるとともに、地域ごとに共同研修体制を整え、連携を図りながら研究を推進する。
(二) 心身に障害をもつ幼児の保育のあり方について、研修を深める。
五 家庭や小学校との連携を密にし、一貫性のある幼稚園教育を進める
(一) 地域の特性に応じて、保育参観や家庭訪問及び各種広報活動等を計画的に実施し、相互に幼児理解を深めることにより、幼児の望ましい発達を促すよう努める。
(二) 幼稚園と小学校との交流を積極的に行うことにより、教師や幼児・児童相互の理解を深め、一貫性のある指導が展開されるよう工夫する。