教育福島0130号(1988年(S63)04月)-007page

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小・中学校の先生方にとっては校長の器量こそ極めて重要な問題なのである。

 

「学校訪問」という行事がある。学生の会社訪問と違って、監督庁の者が学校に出向いていろいろ指導監督するのである。私は今、この行事について校長がしっかり考えるべきだと思う。つまり学校の教育活動についてきちんと責任を持ち、気概を持って教育委員会と話をすべきである。

指導主事が学校でなすべきことは何か。臨教審の報告に、学校は余り碩末のことまで聞いたり、行政当局が言ったりするのはよくないとあった。流石である。校長の反応が鈍くては困る。もっとも学校訪問が清掃査察のためならば、毎月やってもらいたい所があるかも知れない。

 

「教職員の指導」は校長にとって大事な仕事である。校長はもっと助言指導を遠慮なくすべきである。

例えば場にあった服装、電話の受け応え、叱り方、楽しい酒の飲み方など、若い先生はじめよく分らない向きも多いことを見過ごさないで、きちんと助言や注意を与える必要がある。

世間が狭いと言われるように、人に教えてばかりいても人に教えられることを好まぬ人が意外に多いようだが、学校の教職員も校長にもっと接近してほしい。だれに遠慮がいるものか、である。先生どうしの対話が多ければ、学校は自然と明るくなろうというものだ。

 

教職員みんながそうであるように、校長も誰かに頼まれてやっているのではない。自ら望んで専門職として歩む道なのだ。常に視野を広め研鑑を積み、教育の本質をわきまえた器量を持って、教職員の仕事のしゃすい学校経営をめざしたいと思う。校長の器量によって学校を変えたいものである。

 

県小・中学校長会であいさつする筆者

県小・中学校長会であいさつする筆者

 

提言

 

 

 


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