教育福島0130号(1988年(S63)04月)-024page

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特集3

 

人間性豊かな児童生徒の育成のために

勤労生産学習の推進

義務教育課

 

はじめに

 

「小学校及び中学校における農作物の栽培を中心とした勤労生産学習の効果的な実施の在り方について調査研究を行い、人間性豊かな児童生徒の育成に資する」という趣旨に基づき昭和六十一・六十二年度の二か年間、文部省指定勤労生産学習研究推進校として安達郡大玉村立玉井小学校、河沼郡柳津町立柳津小学校、相馬郡鹿島町立鹿島中学校の三校が指定され、熱心に研究に取り組み、昨年の秋、それぞれ研究成果を発表した。

三校とも次の事項について研究を推進し、その研究成果として貴重な資料を参会者に提供し、成果の普及に努めた。

○ 児童生徒の実態に即した勤労生産学習のねらいの設定

○ 勤労生産学習の年間実施計画の在り方

○ 学校の実態に応じた勤労生産学習の進め方

○ 勤労生産学習の効果を高めるための工夫

研究を進めるに当たっては、三校とも、保護者をはじめ地域の関係機関との連携を強め、その成果として地域の活性化、教育力の向上にも大きく貢献した。

以下、三校の研究の概要を紹介し、各学校の積極的な取り組みへの参考としたい。

 

ふるさとを愛し、働くことを喜び、自然を探求する心の育成

大玉村立玉井小学校

 

一、研究の概要

(一) 目標の設定(資料参照)

「ふるさとを愛し、働くことを喜び自然を探究する心の育成」は、現在の児童にとって必要であるとともに、将来にわたって必要な、人間性の基盤をなす、心情の形成ととらえ、主題・目標・児童像を設定した。

(二) 研究の全体構造(資料参照)

(1)勤労生産学習の位置づけ

当学習で培われる心情・態度・能力は、児童の生活の根底を支える役割を担うものととらえ、当学習を、学校教育全体の基盤として位置づけた。

(2)勤労生産学習の領域

農業生産活動は、常に、祈り・感謝・探究の心情に連なり、それらは、農耕に結びついた地域行事として伝承され、また、農業技術の進歩をもたらした事実等を踏まえ、当学習を、「ふるさと文化継承活動」「飼育栽培活動」「自然探究」の三領域で構成した。

(3)各教科・道徳・特活との関連

当学習の成果をより確実なものとし、同時に、各教科・道徳・特別活動における学習を、より活性化させることをねらって、当学習とそれらとの関連化を、積極的に推し進めた。

(三) 年間実施計画(例省略)

当学習は、左記計画に基づいて展開されている。

(1)各学年別勤労生産学習年間実施計画

右記(1)を具体化するために、さらに次の諸計画を策定した。

ア.ふるさと文化継承活動計画

イ.学年別農園活動年間計画

ウ.学年ブロック別菊栽培活動計画

なお、教科・道徳・特別活動との関連化を図った活動については、教育課程内に位置づけた。

(四) 活動の場と時間(資料1参照)

(1)創意の時間

 

「うわ一こんなにたくさん」落花生の収穫(二年)

「うわ一こんなにたくさん」落花生の収穫(二年)

 

 

 


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