教育福島0130号(1988年(S63)04月)-034page
隣の席にしてほしいという子がでてきた。忘れ物の多い子に、直す方法をあれこれ考えてやったり、「大丈夫か」と電話までしている子もいる。早食いな子は、片付けのごみ集めをはりきってやっている。みんなで、友だちのいいとろをさがしているうちに、新たな思いで友だちを見直すことができ、自分から、友だちに優しくしてあげたり、良い行いをしょうとする子が増えてきているので嬉しい。
どんな小さなことも、ほめられればうれしく、子どもは、生き生きしてくるはず。どの子も、自分が学級の主人公なんだという気持ちが持てるようになったら、楽しい学校生活が送れるはずだ。学力をつけてやることは、もちろん、教師の大切な仕事だが、それと同時に、その子のもっている良さ、優しさの芽をつみとることのないように、子どもたちと一緒に、いいとこさがしを続けたい。そのためには、一人一人への話しかけを大切にしたり、行動を見守る心と時間の余裕を持ちたいものだ。「お父さん、喜んでいたね」と言ったら、にこつと白い歯を見せた丁子。この子どもらとともに自分も伸びていきたい。子どもらが、担任のいいところをみつけ、好いてくれるものと、勝手に決めこんで……。
(相馬市立中村第一小学校教諭)