教育福島0130号(1988年(S63)04月)-039page

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物界の生産と消費、土中の生物、技術家庭科の栽培の領域や、季節の食品などの内容のところで、関連づけた。

○ 道徳においては、「勤労、幸福の追求」「自然愛、豊かな心」の各項目に力を入れてきた。

○ 特別活動においては、春の花壇作りや収納祭などの行事を実施し、異年齢団のAsD班主体の生徒活動を推進し、また、学級指導において「働くこと」「労働の喜び」など関連題材の授業を実施してきた。

(3) 栽培活動の進め方

研究を進めるに当っては、校舎周辺の田及び畑を借り受け、実習田、実習畑、菊栽培、花壇経営中心の勤労生産活動を体験させることにした。地主の方やPTAの役員、委員の方々、町の農政課や農業委員会、農協の方々の指導を受けながら、実践してきたが、さまざまな試みを経て、活動方式も次のように軌道修正した。

1)学年ごとに全員が全部門を手がける。

2)学級別の縦割り方式で、全員が全部門を手がける。

3)一A〜六D班の分担作業を進める。

今年度一二年次)は、3)の方式を継続し、年度当初に生徒自身に選択させ、活動を再開した。

生徒自身が作業に慣れ、上級生が下級生に教える場面も見られ、教師が補助的立場にあっても、生徒自らが積極的に活動するようになった。収穫の喜びを今年も得られ、活動意欲が継続できた。

(4)評価法の工夫

生徒、教師、父兄の三つの側面から変容をとらえるようにした。

生徒対象の評価では、質問紙法、評定尺度法及びその他を用いた。また教師対象の評価では質問紙法、評定尺度法を、父兄対象の評価では質問紙法を中心に行った。いずれも両年度ともに実施し、明瞭な結果ではないが効果をとらえることができた。

 

五、研究のまとめ

(1) 具体的内容についての考察

1)効果的な指導のあり方の研究

一年目は試行錯誤を繰り返したが、二年目には構想の内容を各教育計画の中に盛り込むことができた。また、小集団の生かし方やペア学習など授業の形態の工夫ができ、生徒主体の授業を進めることができた。

生徒の日常活動においても「校内美化コンクール」や「協力の美と力−体育祭」など、意欲的な取り組みが見られるようになってきた。

2)栽培活動の進め方の検討

一A〜六D班による畑作、菊づくり、花壇づくりの方式が確立できた。

また、生徒の話し合い活動を重視した栽培の検討や、生徒の希望をもとにした班編成など、活動意欲を高める方策も生み出すことができた。

3)評価のあり方についての検討

生徒側、教師側、父兄側それぞれの変容をとらえることにより、単なる実態調査から抜け出す評価法になり得たのではないかと考えられる。

(2) 研究仮説についての考察

生徒側の調査結果では、望ましい変容の現れている項目ばかりではない。しかし教師の生徒に対する見方は明らかに変わってきた。今後もこの方向での実践の継続により、仮説の正しさは更に検証できるものと考えている。

 

表2.実証授業の記録から

表2.実証授業の記録から

 

ジャガイモの収穫

表3.生徒対象の評価結果から

 

表3.生徒対象の評価結果から

表3.生徒対象の評価結果から

 

こどもの日

 

 

 

 


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