教育福島0130号(1988年(S63)04月)-048page

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のソフトと同様に、まだ量の面でも、ソフトとしての魅力の面でも、工夫や改善しなければならない点は多い。

 

三、研究の成果と残された問題点

 

(1) 初発の感想を基にした課題と発問により、児童の読みに対する取り組みが積極的なものとなってきた。

(2) 音読や朗読に対する意識が高まり、上手になりたいという意欲と、自分は上達したという自信がついた。

(3) 文章表現に即したイメージ化が進み、文意を正しくとらえて、細部まで詳しく読もうとする児童が増えた。

(4) パソコンを中心として授業を進める上で、書く作業を嫌がる児童が出ないよう、どのような工夫をするか。

(5) 活性化を図るために、最も重要となる課題設定の手立ての工夫。

(6) 活性化に結びつく発問や助言を、ねらいに合わせて提示する、教師の指導力の向上。

 

個人学習を生かして、学び方をみにつけさせる

 

個人学習を生かして、学び方をみにつけさせる

社会科学指導

 

会津若松市立謹教小学校

教諭 赤城 ◆彦

 

一、研究の動機とねらい

 

四月に五年生を担任し、心の中は「この子たちと追究のおもしろさのある楽しい社会科学習をしていこう」という希望や期待に満ちていた。ところが社会科学習に対する意識調査を実施してみると、教師の期待とは全く反する調査結果があらわれた。とりわけ、社会科が嫌いな児童が学級の約半数もいたことは大きなショックであった。

児童の社会科嫌いの理由には、

・ 社会科はむずかしい

・ 学習のしかたがわからない

・ 考えることが中心でつまらない

・ 教科書中心でつまらないなどがあった。

このようなイメージを持たせた教師側の問題点として考えられることは、

・ 知識中心の学習への偏り

・ 学習のしかたの指導の不足

・ 学習活動の固定化

・ 学習意欲を高める工夫の不足

・教師主導型の授業展開などがあげられる。

これらの問題点の中でも、とりわけ学習のしかた、学習意欲の問題は今日の学校教育に期待される自己教育力の育成に欠かせないものである。

社会科学習への意欲的な姿を目指すためには、様々な指導法の改善や工夫が必要であろうが、学年始めの時期であることから、まず学習のしかたを身につけさせていくことが重要であると考え、標記の主題を設定した。

 

二、研究仮説

 

単元の導入、展開、終末の各段階に個人学習を位置づけ、次のような学習訓練を積み重ねていけば学び方が身についていくであろう。

 

〈単元の導入で〉

・課題設定のしかた

・個人学習のしかた

〈単元の展開で〉

・単位時間の学習のしかた

・資料の見方

・話し合いのしかた

・ノートの取りかた

〈単元の終末で〉

・単元学習のまとめのしかた

・反省のしかた

 

三、研究計画(略)

 

四、研究実践の概要

(一) 学習のしかたを身につけさせるための単元展開

一小単元一サイクルの授業展開をもとに仮説に迫るための構想を考えてみた。

 

表1 単元の研究構想

表1 単元の研究構想

 

 

 


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