教育福島0130号(1988年(S63)04月)-052page

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生涯教育インフォメーション

 

学習機会の整備をめざす

生涯教育の推進

 

社会教育課

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最近わが国の社会は、科学技術の進歩や経済のめざましい発展により情報化、国際化、成熟化へと著しく変化しています。

このような状況の中で、県民の生涯教育に寄せる期待と関心は、年ごとに高まってきており、学習環境の諸条件の整備が望まれています。

これは、とりもなおさず、社会の変化に対応しながらより豊かな生活を築き、人生八十年時代と言われる長い人生を生きがいのある充実したものとして過ごしたいとする県民意識のあらわれと言えます。

県においては、このような県民の学習需要にこたえるため、六十三年度の生涯教育推進施策の重点を「学習機会の整備をめざす生涯教育の推進」とし県民のだれもが、いつでも、どこでも参加できる学習機会の充実に努めているところであります。

ここに、生涯教育推進会議から提出のありました提言要旨の一部と今年度の生涯教育推進事業を紹介します。

 

一生涯教育推進会議

 

三年次報告書及び提言を提出

過日、生涯教育推進会議議長一関口富左郡山女子大学長)から推進本部長一副知事)へ三年次の調査審議をまとめた報告書と三年間の審議をまとめた提言の提出がありました。

ここでは、提言の要旨と学校教育にかかわる提言七の「家庭・学校・地域の教育機能の活性化と連携」について、その内容を紹介します。

 

◇提言の趣旨

この提言は、昭和六十年六月以来三か年にわたる部会審議をまとめた各年次報告書を基に、活力ある学習社会を形成するために必要な「本県における生涯教育の推進方策について」の総括的な提言となっています。

 

◇提言の視点と項目

本県における生涯教育の推進に必要な(1)推進組織及び推進体制の拡充整備、(2)学習指導者や学習施設・学習情報提供の拡充整備、(3)学習機会の整備充実、(4)家庭・学校・地域の教育機能の活性化と連携等に視点を置いて、次の八項目を提言としています。

一 県民の生涯学習を促進する推進組織の機能の充実を図ること。

二 市町村の生涯学習を進めるまちづくりの促進を図ること。

三 生涯学習を推進する指導者の資質の向上を図ること。

四 学習施設の整備と施設間連携の促進を図ること。

五 学習情報の提供と学習相談体制の整備充実を図ること。

六 時代の変化に対応する学習機会の充実と個人学習の援助を図ること。

七 家庭・学校・地域の教育機能の活性化と連携を図ること。

八 生涯学習の拠点となる生涯教育センターの設置の推進を図ること。

 

◇「提言七」の内容

青少年の心豊かな人間形成を図るには、家庭・学校・地域社会のそれぞれが、独自の教育機能を発揮するとともに、三者が調和を保ちながら何をどのように分担し、補完し合っていくかを十分検討し、連携を進めることが必要であるとしています。

その際、特に「青少年を健全に育成する」「親や大人自身が学ぶ」「地域に生き地域を育む」という視点に立って三者の共通理解のもとに、教育目的を同じくし、相互に均衡を保ちながら連携を進めていくことが大切であるとして、次のようなそれぞれの教育機能の充実を図ることを求めています。

 

1)家庭の教育機能の充実を図る

家庭では、生涯学習の原点としての正しい基本的生活習慣や豊かな心情を身につけるとともに、主体的に生き抜く力や意欲、個性的な人格を育てる基盤であるとし、特に、親は家庭教育のもつ社会的な認識を深め、教育を学校に依存するという考え方を改め、自らの役割や責任を自覚して、子どもが健全に育つよう家庭の教育力を高めるために自ら学ぶ必要があるとしています。

そのため、公民館や保育所、幼稚園での乳幼児学級、小・中・高等学校や企業内等での家庭教育学級の開設促進、届ける家庭教育通信などにより学習機会の充実に努める必要があるとしています。

 

2)学校の教育機能の充実を図る

学校は、生涯学習の基礎に位置づけられ、家庭で体得した生活習慣や知識を基に、集団生活や社会の変化への適応、基礎的な知識・技能の修得、個性的、創造的な人間の育成を図る場であるとともに、地域社会の共通財産として地域住民に開放するなどの機能をもつことが要請されているとしています。

そのため、家庭・地域との連携を深め地域住民の学習要求にこたえ得るような施設・設備の整備を行うなど、学

 

 

 


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