教育福島0132号(1988年(S63)07月)-011page
することが少なく、自分から進んで学習に立ち向かおうとする意欲にも欠ける面が見られる。
福島県標準学力検査の結果でも、文章を読む力が劣り、語句の意味を文脈の中で適切に考えることに抵抗がある。
一方、日常の指導について反省してみると、授業の進め方が教師中心であり、児童に活動させてみるという学習活動の位置づけが十分ではなかったのではないか。何のために、どのように学習するのかといった学習の手だてをきちんと指導過程に位置づけた指導がなされなかったのではないか、といった反省がなされた。
以上のことから、一人一人の児童が意欲的に学習に取り組み、主体的に学びとる力を育てるためには、読んだり書いたり、話したりする活動ができる児童を育てることが必要であると考え本主題を設定した。
二、めざす児童像
○ 学習の仕方がわかり、意欲をもって学習に取り組む子ども。
○ 主体的に読んだり、書いたり、話したりしながら学び取る子ども。
○読みに慣れ、読む活動を通して内容を理解する子ども。
○、感想、意見、まとめなどを選んで書き、生活文・実用文へ応用する子ども。
○ 自分の考えを気楽に話し、対話の仕方がわかり、話し合いに積極約に参加する子ども。
三、研究の見通しと構想
「児童自らが、どう読み、どう書き、どう話したらよいか」という学習活動の仕方がわかる手だてを講じて学習させたなら、自信をもって学習し、自分の学習成果を認識して、より一層意欲的に読んだり、書いたり、話したりするのではないだろうか。
〈研究の見通しに対する指導の手だて〉
一人一人の児童が意欲的に活動することをねらい、活動そのものに焦点を当てて、児童が、読む活動・書く活動話す活動を意欲的に行うように指導することによって、正しく豊かな国語の力を身につけられるようにする。つまり、「学習活動の仕方がわかる手だてを講ずる」ということは、読む活動の仕方、書く活動の仕方、話す活動の仕方を指導して、児童の身につけさせるということである。しかもそれは、個に応じた指導を大事にすることによってなされるものと考える。
四、授業の基盤づくり
(一) 読む活動、書く活動、話す活動の学年別児童像
表1 読む活動・書く活動・話す活動の学年別児童像