教育福島0132号(1988年(S63)07月)-012page

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授業に取り組む場合に、各学年における読む活動、書く活動、話す活動の「めざす姿」を明らかにして、その学年で到達すべき目標とした(表1参照)

 

(二) 「理解」「表現」領域における基礎的技能

 

「理解」「表現」領域で中心技能をおさえ、そこに迫るための基礎的技能の洗い出しを行った。(表2参照)

 

(三) 研究の視点

 

「意欲的に読んだり、書いたり、話したりする活動」をめざす授業の改善

1)一人一人を生かし、意欲的に学習に取り組ませる指導の工夫。

2)読む活動、書く活動、話す活動の精選と、指導過程への効果的な位置づけ。

3)個に応じた指導に迫るための手だての工夫

4)指導と評価の一体化を図り、本時のねらいが一人一人に確実に身につくような工夫。

 

五、研究実践

 

前述の「研究の視点」の2)と3)について、述べる。

(一) 読む活動、書く活動、話す活動を精選し、指導過程に効果的に位置づける。

◎ 学年別児童像を踏まえ、一人一人のめざす姿をおさえながら指導してきた。

 

読む活動

読む活動を通して内容を理解し、それを音読に生かせるようにする。

 

◎ 低学年においてはへ黙読よりも音読のほうが理解をより確かにするものと考え、特に音読に力を入れた読みの指導をし、中学年からは、読み取ったことが聞き手によく伝わるような音読の指導に重点をおいた。

 

(1) 読む活動を助け、内容を理解させるために動作化を位置づけた。

○ 登場人物になりきって動作化ができるようにし、順序や行動を文に即して読み取れるようにしてきた。

 

(2) はじめの音読と、まとめ音読を指導過程に位置づけてきた。

○はじめの音読は、内容を理解するために読むことを目的とし、まとめの音読では、読み取った内容が、聞き手によく伝わるように読むことを目的として読ませた。

 

(3) 読み取り方(学習の仕方)が身につくように力を入れてきた。

○いろいろな読み取り方を経験させ、高学年においては、自分なりの方法で読み取れるように指導してきた。

○複式学級においては、読み取りプリントを、上位児・中位児.・下位児を意識して作成し、その子なりの読み取りができるようにし、つまずいて遅れがちになる児童の指導に生かしてきた。

 

書く活動

書く活動を通して考えを深め、より確かな理解ができるようにする。

 

◎ 書くことは考えることであり、その考えを深化・拡充し、整理・定着させることでもある。児童は、学習活動の中で“読んでは書き、書いては読む”ことによって自らの読みを深く豊かなものにしていく。

また、書くことによって自分なりの疑問や課題を発見し、明らかにしていくとともに、漠然とした理解を整理し、読みを確かなものにしていく。このような書くことの持つ機能が、学習活動の場面で有効に用いられ、主体的な学習活動が展開されるように工夫してきた。

 

(1) 読みにおける書く活動を重視して指導過程に位置づけた。

○ 登場人物の気持ちを吹き出しに書かせ、心情が読み取れるようにした。登場人物になりきって、その場面のときの気持ちを吹き出しに書かせることにより、情景の読み取りや、主題に迫る読み取りが深まるようにした。

○ サイドラインを引き、行間へ気持ちを書き込ませるようにした。光る言葉や、気持ちの表れていると

 

表2 「理解」領域における基礎的技能

表2 「理解」領域における基礎的技能

 

 

 


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