教育福島0132号(1988年(S63)07月)-014page

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3) 課題を解決する学習の中で、みんなで話し合う活動を大事にした。

○ 自分の考えが相手にわかるように大きな声で、はきはきと話すように心がけさせた。

 

(二) 個に応じた指導に迫るための手だての工夫

 

◎「理解」領域、「表現」領域の基礎的技能を明確にし、読んだり、書いたり、話したりする活動の学年別児童像をつくり、個に応じた指導のための記録へ生かした。

 

(1) 本時のねらいを個に即して設定し、一人一人を生かしてきた。

○ 本時のねらいを、上位児、中位児、下位児別に設定し、それに対応する児童一人一人の評価の観点を設け、一人一人に応じた指導がより効果的になされるよう配慮し、授業の改善を試みた。

 

(2) 「個に応じた指導のための記録」を作成し、一人一人の実態の把握に努めた。(表3参照)

○ 単元を通して、毎時間ごとに、「個に応じた指導のための記録」へ記入し、一人,一人の到達の状況を把握し、フィードバックして遅れがちな子への指導に生かしたり、次時の学習へ役立てたりして、授業の改善を試みた。

 

(3) 個別指導を通した個に応じた指導の機会と場を設けへ一人一人を伸ばすようにした。

○ 一人一人に同じ視点で発表させたり、一人一人の実態に応じて、違う観点で発表させたりして、能力に応じた指導がなされるよう授業の改善を試みた。

 

(4) 「ひとり学習」と「相互学習」を位置づけ、関連を図りながら学習を深めるようにした。

○ 相互学習の中に、ひとり学習で調べたことを発表する機会を全員に与え、ひとり学習の内容が深まるようにした。

 

(5) 学習のまとめを、一人一人にしっかりまとめさせ、学習がより定着するよう配慮した。

○ 課題に沿ったまとめをさせたり、学習の仕方としての技能をまとめさせたりした。

 

(6) 一人一人のめざす姿と、一人一人の本時のねらい、さらに一人一人の評価とを関連づけて指導した。

 

(7) 単元を通して記録したものから、児童一人一人の本単元における学習のようすや到達の状況を調べ、評価や次単元からの指導に生かした。

 

六、まとめ

 

(一) 研究の成果

 

(1) 児童が主体的に学習に取り組めるようにするために、教材の提示、学習課題づくりなどに工夫が見られるようになってきた。

 

(2) 児童一人一人を生かし、個に応じた指導を進めるために、「個に応じた指導のための記録」の累積をはかり、一人一人を伸ばす指導が行われるようになってきた。

 

(3) 自分の考えを大切にし、友だちの意見も取り入れながら、学習課題の解決のために真剣に取り組み、わかるまでがんばろうとする児童が見られるようになってきた。

 

(二) 今後の課題

 

(1) 少人数学級の特性を生かし、個に応じた指導の徹底を図る。

(2) 読んだり書いたり話したりする活動をさらに意欲的にさせる。

(3) ひとり学習と相互学習の効果的な在り方を探っていく。

(4) 直接指導と間接指導の効果的な在り方を探っていく。

 

学習意欲を育てる授業を実現するための

指導計画の改善

−自ら学び、両上しようとする意欲をどう育てるか−

郡山市立郡山第三中学校

 

一、主題設定の理由

充実した学校生活の基本条件は、毎日の授業において、一人一人の生徒に学習が成立するところにある。本来、生徒は自ら学び、向上しようとする意欲をもっている。しかし、本校の生徒の中には、学習に意欲的に取り組めないでいる生徒も少なくない。

そこで、生徒の意欲を阻害している要因を客観的に把握するために、KJ法によるグループ討議や種々の実態調査を実施した。

その結果をまとめると、次のようになる

○ 全体として自主性や自律性が育っていない。

○ 着実にやり抜く意志や忍耐力が弱い。

○ 目標に向かって努力したり、向上しょうとする意欲が不十分である。

 

 

 


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