教育福島0132号(1988年(S63)07月)-015page
○ 責任感に乏しく、意識的、意欲的に行動できない。
そこで、このような生徒の実態を踏まえると共に、本市教育委員会の重点課題の一つである「自ら学びとる授業の充実」を受けて、本主題を設定した。
二、研究仮説
生徒一人一人が目標に向かい、意欲的に学習を進めるためには、各教科の基礎的、基礎的内容が確実に定着していることを前提として、さらに次のような条件が備えられる必要がある。
(一) 生徒一人一人が教材に即した学習の仕方を身につけていること
(二) 学習目標に向かおうとする意志が形成され、それが持続されること。
これらの条件が備われば、生徒は生き生きと学習に取り組み、学習内容を確実に定着させると共に、応用的、発展的な学習へのより高い意欲を示すものである。
そこで、本校では単元の指導計画を作成する段階からこれらの条件を意図的、計画的に組織して、生徒一人一人が意欲的に取り組める授業を実現させようと考え、次のような仮説を立てて研究を進めることにした。
単先計画の中に、教材内容に即した学習の仕方や学習意志を形成させるための手だてを位置づけ、それに基づいて授業を展開すれば生徒は学習への成就感や満定感を味わい、学習意欲を育てることができるであろう。
三、研究内容
仮説を検証するに当たって、次の内容について、全教科、全職員で研究を進めることにした。(一) 望ましい学習集団を育て、基本的学習態度を形成させる。
本校では、生徒の学校生活の基本を示した「三中生活ノート」をすべての教育活動において活用しているが、基本的学習態度を形成させ、学習意欲を
資料1 学習の心得
すべての教科の学習に共通した大切な心がまえは
1.学習するのは自分であるという自覚をもち、自ら学びとる姿勢で積極約に学習に取りくむこと。
2.授業中は一人で学習するだけにとどまることなく、互に協力し励まし合って真剣に学習する学級をつ くること。
3.この授業の学習では何がわかり、何ができるようになったかをはっきりと確かめること。
の三つです。教えてもらうという受身の姿勢を早く捨て、常に自分自身の課題と見通しを持った学習のすすめ方を、早く身につけ、実力を発揮できるようにしましょう。
そのためには、次のことがらを心がけて授業にのぞみましょう。
1.能率的な学習方法をみにつけ、自ら学ぶ努力をしましょう。
○予習は、教科書をよく読んでおき、学習の範囲や要点を下調べし、準備品を用意しておく。
○ノートの使い方は予習、板書事項、説明、復習など学習内容の要点をとらえて記録し、後で役に立つようくふうする。
○復習は、計画的に行い、学習内容を完全にマスターできるまで考えぬく。
○いくら考えても、分からないところは、いろいろな資料で調べたり、次の日に必ず先生や友だちに質問し分かるようにしておく。
2.今日の学習課題は何かをはっきりとらえておきましょう。
学習の約束
学習を充実するために、次の約束をみんなで守りましょう。
1.授業には絶対に遅れないよう早目に行動する。
2.授業に必要な準備物は忘れない。 (課題、学用品、資料)
3.私語などで全体の学習に迷惑をかけない。
4.授業中は姿勢を正しくする。
5.家庭では自主学習を必ずする。
生徒の主体性を生かした音楽の授業