教育福島0132号(1988年(S63)07月)-025page

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度から新たに家庭教育講座を開設して保護者の啓発に努めている。

 

六 進路実現のための教育課程の改善

 

(一) 改善の理由

1 近年就職及び専門学校等への希望者が増加し、今までの教育課程ではこうした進路の多様化に対応できなくなった。

2 生徒の学力差が年々拡大する傾向を示し、学力も全体として低下しているため、個々の生徒の進路希望の実現が困難な場合も生じている。

 

(二) 教育課程改善の方向

1) 文理コース案…二年から文理別クラス編成をするもの。

2) 自然学級案…コース別のクラス編成はしないもの。

3) 類型の細分化案…二年から進学(文・理)、就職のコース別クラス編成をするもの。

このような案で検討をした結果、最終的には文理コース案を採用し、六十一年度入学生から実施している。

 

七 進路意識の変容と評価

 

三年間にわたって実施した進路意識調査の結果から読みとられる進路意識の変容を見た。

 

(一) 生徒の意識

一年生について言えば、六十パーセント以上の生徒に、自己理解や職業理解に関して深まりが見られる。二年生では、進路への関心や具体的な取り組みの深まりが見られる。三年生では、進路決定の時期が早まり、また、進路実現のための取り組みもしっかりしてきた。

表4によると、進路指導部が出す「進路情報」や「進路資料」及び「保護者との話し合い」などは各学年とも重要な役割を果たしていることがわかる。また、一・二年生では「ロングホームルームの時間における進路指導」、三年生では「進路別ガイダンス」と「学級担任による面談」が重要な役割を果たしていることがわかる。

 

(二) 教員の進路指導に対する意識と評価

1 教員の意識の変容

進路指導の基本的生格に対する理解が深まってきている。特に「職業的発達を促進する活動」については著しく理解が進んだ。

 

2 進路指導に対する教員の評価

図4のとおり、ロングホームルームに対する評価は高くなった。

また、「生徒が三年になってから保護者に働きかけるのではなく、一年から計画的に働きかけている」とする者も増えた。しかし、「保護者への働きかけの方法については現行のもので良いか」に対し、「いいえ」が二十九パーセントもあるので、さらに改善が必要である。

 

表3 家庭教育講座実施内容

表3 家庭教育講座実施内容

 

表3 家庭教育講座実施内容

保護者の関心を呼んだ家庭教育講座

 

表4 自分の進路について考えたり、進路を選択・決定したりする上で重要な役割を果たした要因

(10項目から複数選択実人数に対する割合を示す)

 

 

 

 


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