教育福島0132号(1988年(S63)07月)-035page

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特集

 

特色ある学校教育の推進

豊かなふれあいをめざす教育活動

−養護教育−

 

一、特色ある学校とは

特色ある学校とは、児童生徒が自己の能力を十分に発揮し、生き生きとした学校生活を送ることができるように学校の教育目標の達成に向けて、創意工夫を加えた教育活動を展開している学校といえよう。

 

二、特色ある学校づくりの必要性

盲学校・聾学校及び養護学校は、地域や学校の特性に加えて、児童生徒の心身の障害の種類や程度等によって異なり、学校独自の教育活動に取り組む必要性がある。この独自の活動を、創意工夫のもとに積極的に実践している学校では、児童生徒の活力ある学校生活及び教職員の充実した活動が展開されるなど、大きな成果を上げている。

 

三、特色をつくるためには

特色をつくるためには、学校や地域の特性、児童生徒の心身の障害の状態や発達段階等を十分に考慮し、児童生徒及び教職員が共に理解し、参加できるように具体的な目標を設定することが大切である。

 

四、「特色ある学校づくり」の配慮点

配慮点としては

(一) 自校の教育目標について全教職員の共通理解を図ること。

(二) 地域や学校及び児童生徒の実態等をきめ細かに把握すること。

(三)自校の課題解決に向け、創意工夫が加えられていること。

(四) 児童生徒の望ましい変容が期待できるものであること。

などがあげられる。

 

五、「特色ある学校づくり」の実践例

盲学校・聾学校及び養護学校の中から、社会自立をめざした積極的な交流活動を実践している県立盲学校、生活経験を豊かにする教育活動に取り組んでいる県立西郷養護学校の例を以下に紹介する。

 

より多くの人たちとの交流をめざして

県立盲学校

 

本校は福島市の中心部から、やや北に寄り、信夫山のふもとに位置し、創立以来九十年の歴史をもつ学校である。現在、小学部十九名、中学部十四名、高等部四十六名の計七十九名が在籍し、毎日、学習や体力づくり、理療実習等に励んでいる。

また、卒業後の進路は、はり、あんま、マッサージ等の理療関係に進む者がほとんどである。

視覚障害をもつ児童生徒にとって社会性を伸長し、好ましい人間関係を育てるため、より多くの人たちとの触れ合いを経験することは大切なことである。将来の進路が、人と接する仕事であることを考えた時、さらに積極的な交流を図る必要がある。

このことを踏まえて本校では、幅広い交流をめざし、より多くの人たちと活動を共にする機会を設けている。

その実践例として、中学部の交流の様子や地域の中での活動及び奉仕活動グループとの交流の様子について紹介する。

 

一、中学校の生徒たちとの交流活動

本校では、昭和五十四、六十年度に県教育委員会の指定を受けて、小学校中学校との交流活動を実施し、多くの成果を上げてきた。それをもとに、小学部・中学部では独自の方法で交流活動を継続している。

 

(一) 弁論大会を通しての交流活動

交流活動では、相手校の全員と直接的に触れ合うことが最も効果的であるが、現実的には学校規模等の関係で困難である。そこで本校では、一部の生徒の弁論大会参加の体験を全校に広め、相手校の生徒の活動の様子について理解を深めている。相手校もまた、本校の生徒の発表や発表後の話し合いの様子を校内に広め、理解を深める活動をしている。

福島地区中学校弁論大会や吾妻中学校の文化祭での校内弁論大会参加は、本校の生徒にとって、普通中学校の生徒の考え方を直接聞くことのできるよ

 

 

 


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