教育福島0132号(1988年(S63)07月)-036page

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い機会で、参加する度に強い刺激を受けて帰ってくる。また、中学部集会等で、参加者が大会の様子について報告する機会には、全員興味をもって聞き入っている。

本校では、弁論大会の参加については事前の準備から事後のまとめまでを、各教科やホームルーム等の特別活動に位置づけ、計画的に進めている。

 

(二) 息の長い交流活動

本校では、より多くの人たちとの交流をめざして、県教育委員会の指定を受けて交流活動を実施し、継続しているほか、私立中学校.(桜の聖母学院中学校)との交流活動も実施している。

本校と桜の聖母学院中学校との交流は昭和五十六年に始まっているので、今年度で八年目になる。同一校との交流が緊密で長期にわたり、大きな成果を上げている学校は他にあまり例をみないようである。

交流は年六回程度行われているが、昭和六十二年度の交流例は次のとおりである。

○ 四月二十四日戟A双方の生徒会の交流推進の。プロジェクトチームのメンバーが盲学校に集まり、六十二年度の交流の進め方について話し合い、年間計画を作成する。

○第一回、六月十五日求A信夫山ハイキング。ペアを組みアスレチック競技をする。

○ 第二回、七月三日掛、桜の聖母学院中学校で混成チームにより盲人バレーボールを行う。

○ 第三回、九月五日出、盲学校グランドで盲人野球を行う。

○ 第四回、十一月八日求A大玉村県民の森遠足、野外炊さんなどを行う。

○ 第五回、十二月八日(火)、福島アイスアリーナでスケートをする。

○ 第六回、二月六日出、ゲーム・反省会等を行う。

これ以外に、双方の学校の文化祭に招待し合う活動も行っている。

交流活動計画の立案は、生徒の自主性を尊重しながら進めている。

双方の学校にプロジェクトチーム(各校四名)を編成し、計画を具体化するわけであるが、その方法はユニークである。まずプロジェクトチームのメンバーが電話で連絡をとり合いながら進めるのであるが、学校生活の場を離れても、自宅や施設の電話で話し合えるように考慮している。この電話での連絡の中に、すでに交流活動が開始されており、その後の活動が円滑に運ぶ要因でもある。電話代の予算も十分にとっている。

このようにして、年六回程度の交流活動は綿密な計画のもとに実施され、より好ましい人間関係がはぐくまれていくのである。

相手校の桜の聖母学院中学校の生徒にとっては、視覚障害生徒の中に多くの共通点を見いだすことによって仲間意識を育てたり、また、視覚障害生徒の障害を克服する意欲に触れて、自分自身の生活を見直すよい機会になり、重要な活動になっている。

双方の学校では、今後も発展させて大きな成果をあげたいと願っている。

二、地域住民とのふれ合い

本校は市内にあるので、地域住民と触れ合う機会は多い。校外学習や休日の散歩や買物で外出することも多く、迷った時には、気軽に尋ねることができるように訓練しておくことも大切である。

そこで本校では、市内の繁華街を通り、一人で目的地にたどり着くことを目的とした「市内総合歩行訓練」を実施している。オリエンテーリングの方法で、市民の方々に方向や建物を尋ねながら、公共施設をいくつか回ってくる訓練である。安全のため、教師が後ろからついていくことにしているが、可能な限り一人で行動させるようにしている。市民の中には、自分から生徒に声をかける人もおり、少しずつではあるが、地域の人々とのふれ合いの機会も拡大してきている。

 

三、奉仕者との交流

本校には、点字に翻訳してくれる点訳者が数多くおり、この人たちと交流する機会もある。このような機会には感謝の気持ちを育て、自分たちを援助してくれる人々に応えるためにも、さらに学習や訓練に励むように指導をしている。また、華道や琴の指導している奉仕者、中学校、高等学校の部活動として「点訳」や「拡大写本作成」の

 

交流野外活で相互理解を(吾妻中の生徒と)

交流野外活で相互理解を(吾妻中の生徒と)

 

野外炊さんも共同作業で(桜の聖母学院生と)

野外炊さんも共同作業で(桜の聖母学院生と)

 

 

 


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