教育福島0132号(1988年(S63)07月)-037page
活動を行い、本校に協力してくれるグループ、さらに、毎年、大玉村の「県民の森」で、野外活動や歩くスキー等の活動に協力してくれるグループ等数多くの奉仕者がいる。それらの人々との交流活動において、生徒たちは、幅広い人間関係を育てていくのである。
四、教育課程への位置づけ
本校では、交流活動を特別活動の中に位置づけ、学部行事として実施しているが、中学部では、部活動の組織に組み入れて、組織的に活動している。更に、実施に当たっては、交流する相手校の諸条件を考慮して、無理のない活動を展開するようにしている。
五、生徒の変容及び今後の問題
交流活動を実施してきて、生徒には次のような変容がみられた。
○ 対人関係が改善され、積極的に相手に話しかけることができるようになった。
○ 自主的な行動がでてきて、自己主張がみられるようになった。
○ 生活経験領域が拡大され、社会性が養われてきた。
今後の問題点としては……
○ 日常的な交流活動の推進においても予算の裏付けが必要である。
○ 土曜日の午後や休日に活動する場合の指導体制が不十分である。
○ 全教職員の共通理解のもとで実施する必要がある。
などである。
生活経験を豊かにする学校教育
県立西郷養護学校
本校は、白河市から西へ約十キロメートル、西郷村にある総合社会福祉施設「太陽の国」に設置された養護学校である。児童生徒は、提携施設である「白河めぐみ学園」及び「白河こひつじ学園」から四十五名、自宅から十九名が通学し、訪問教育四名と合わせて計六十八名が在籍している。
教育目標に、「じょうぶで、明るく、がんばる子」を掲げ、一人一人の調和的な発達を図りながら個性と能力を伸ばし、社会の一員として生きていくことができるように日常の教育活動を展開している。特に、「みんなと仲よく協力し合って集団生活ができる態度の育成」を具体目標に設定し、これの実現に向けて教師と児童生徒が一体となって努力している。そのため本校では、学校行事を工夫し、また近隣の小学校との交流活動を実施するなどして、生活経験を豊かにする学校づくりに励んでいる。
学校が市街地から離れており、地域社会の人々との交流が少ないため、校内や「太陽の国」の中では、少しでも生活経験を豊かにすることをめざして体験学習を中心とした教育活動を行っている。
また、文部省の「心身障害児理解推進校」の研究指定を受けた熊倉小学校が近くにあり、本校は協力校として交流活動を実施している。以下にその例を紹介する。
一、学校行事を通して
自主的な行動が乏しく、集団参加能力が低い児童生徒の学校行事においては、教師と一体になった共同活動が大切である。本校では、運動会や学習発表会等の行事において、児童生徒の能力に応じた参加ができるように、きめ細かな計画を立案し、少しでも自主的な活動ができるように配慮している。
体験を通した学習活動は、少しずつではあるが、児童生徒の生活経験を豊かにし、社会的自立を図っていく上で大切なものとなっている。
特に、学習発表会については校内で発表会を開催すると同時に、太陽の国の中にある「老人ホーム」を訪ねての発表会も毎年定期的に開催している。老人ホームの入所者や職員、さらに近くの施設の職員まで参観にかけつけ、声援を送ったり握手を交わしたり、楽しい一時を過ごす。この発表会を児童生徒は楽しみにしており、練習にもおのずと熱が入ってくる。このような学校を離れての活動は、児童生徒にとっては貴重な体験学習の場である。
その他、近くの道路に出ての交通安全教室、スクールバスを利用しての野外観察、買いもの学習、職場見学、そり遊び等と幅広い体験学習の機会を設けている。
二、近隣の小学校との交流を通して
小学校との交流の機会が極めて少ない本校の児童にとって、現在、文部省の指定を受け、研究を進めている熊倉小学校との交流活動は貴重な体験の場となっている。
資料1に、昭和六十二年度(第一年次)の交流活動の内容をまとめてみた。
資料1からもわかるように、交流内
バザールを目ざして「足ふきマット」づくり