教育福島0132号(1988年(S63)07月)-052page
生涯教育インフォメーション
〜子どもたちの健全な成長をめざす〜
PTAの地域活動の展開
社会教育課
はじめに
PTAは児童・生徒の健全な成長を図ることを目的としています。
この目的を達成するために、学校・家庭・地域の連携が不可欠であり、特に今日の激しく変化する社会環境の中で、児童・生徒の健全育成を図るためには、三者の連携はなお一層重要なことです。
児童・生徒の健全な育成を図るためのPTAの活動は、四つに分けることができます。
一、親と教師の協力により、学校教育、家庭教育の理解と振興を図る活動。
二、児童・生徒の校外での生活指導による健全育成のための活動。
三、地域の教育環境の改善、充実を図るための活動。
四、一から三までの活動を行うための会員相互の学習活動。
特に今日のように激しく変化する社会にあっては、児童・生徒の健全育成のための校外での指導は、地域ぐるみの活動が大変重要なことです。
地域ぐるみの活動は、就学前の子どもの親、また児童・生徒のいない親など、その地域で生活している人たちとの総合した力による活動で、健全育成もこれによって可能となります。
また、PTAが活発な地域活動を展開するためには、児童・生徒の実態を把握すること、地域の動きを敏感にキャッチするための学習活動が必要であり、地域の動きに柔軟に対応できる態勢づくりも大切です。
一、PTAの地域活動のあり方
(一) 学校・家庭・地域の連携を図る。
PTAの地域活動は、三者(学校家庭・地域)がお互いに協力しあい補完しあって行うことが必要です。
児童・生徒が安心して日常生活の中で体験できるように生活環境、教育環境を整備することも三者の連携によってはじめて可能となります。
連帯感を育てる活動としては、最初は小集団による集会等により意志の疎通を図り、小集団から徐々に広げ、意見の反映にも十分配慮し、集会後のレクリェーションなどでのふれあいに発展させることによって、共通の立場による連帯感の意識が生まれてきます。
(二) 地域の実態を把握する。
地域活動は、地域の実態、児童・生徒の実態をよく把握して進めることが必要です。地域全体から理解され、支持されることが地域活動を円滑に進める上で大切なことです。
(三) 地域活動は親子の総合的社会学習の実践の場、地域課題発見の場である。
地域活動は児童・生徒にとって、将来の望ましい人間関係や「地域の中で生きる」ことを異年齢集団の中で学ぶ学習の場です。また、大人にとっても広い視野からの学習の場です。
この学習を通して、地域の実態を把握することができ、地域課題の発見やその課題解決の方策をたてることが可能となります。
二、実践の紹介
昭和六十二年度優良PTAとして、文部大臣表彰を受賞した福島市立福島第四小学校、郡山市立桜小学校の各校のPTAの地域活動を紹介しましす。
実践例 1
福島市女福島第四小学校
1) 地域の概況,
信夫山をはさんで南北に広がり南側は市の中心部で、商店街、住宅地であり、北側は新興住宅地で年々児童数が増加している。
学校周辺は繁華街で、生徒指導上の面で配慮しなければならない地域もある。
2) 学校外の生徒指導に関する活動
状況
ア、交通安全指導
年度はじめに育成部が、警察署員から交通安全指導を受け、生徒の登校時の街頭指導を実施し、さらに保護者が交替で交通安全指導