教育福島0133号(1988年(S63)09月)-018page

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特集2

 

情報化社会への対応をめざす

−コンピュータ等教育計画と情報処理教育の実践−

総務課

 

一、はじめに

 

臨時教育審議会は、二十一世紀に到来が予想される高度情報化社会に対応した教育の在り方について提言を行った。また、教育課程審議会は、その答申を踏まえ、学校教育における情報化対応の教育の進め方として、コンピュータ等の教育的利用について各教科等において積極的に推進することを提言しているところである。

福島県教育委員会は、これらの提言以前から情報化に対応した教育の重要性に着目して、県教育センターにおける情報処理教育講座の充実等に努めてきた。昭和六十年度には社会の変化に対応した教育の在り方について検討をするため、教育庁内に教育改革推進検討委員会を設置し、「学校におけるコンピュータ等の教育的利用の基本計画」を調査研究することとし、昭和六十一年度より三か年計画で進めているところである。以下、これまでの調査・研究に基づき、コンピュータ等の教育的利用の在り方等について簡単にふれることとする。

 

二、コンピュータ等の教育的利用の意義・目的

 

(一) コンピュータ等の教育的利用の意義

高度に発達した情報化社会では、コンピュータを内臓した機器の開発は更に進むとともに、その利用や応用技術(ソフトウェア)も巨大化・高度化し、保守すべきソフトウェアの蓄積も進むものと考えられる。その経済的・社会的メリットを広く享受するために、コンピュータ等の情報手段とそれから生み出される情報を主体的に活用することが不可欠となってくる。そして、そのための能力、即ち情報機器への積極的関心とその応用のための基礎的能カ(情報リテラシー)を身につけることが、現在及び将来にわたって生きていく人間にとって重要な資質として要求されるようになる。このため、二十一世紀を担う児童生徒をすこやかでたくましい人間に育てるために、コンピュータ等を利用した教育を、全教育活動・実践のプロセスの中で展開し、来たるべき情報化社会に積極的に対応できる能力を育成するとともに、情報化の波に埋没して自己を見失うことのないよう留意し、コンピュータ等に関する教育を推進する必要がある。

 

(二) コンピュータ等教育の目的

コンピュータ等を利用した教育は、教師の指導方法を多様化し、既存の指導方法では指導が困難であった事柄についても新たな効果的な手段となり得るなど様々な教育の可能性を持っている。このような可能性を持つコンピュータ等による教育は、次のようなねらいのもとに行われるべきである。

1) これまでの時間的・身体的制約等により、学習することが困難であったり、情報の不足がちであった人々や地域に均等な教育機会を与えること。

2) 情報化が日常生活の中へ浸透してくる中で、その情報の媒体であるメディアを有効に活用する能力を身につけさせること。

3) 国際化の進展に伴い、多種多様な民族や国家の固有の文化について、情報等の交換・相互交流を行うことをとおして、わが国独自の伝統文化や地域文化に愛情と尊敬を持てるようにすること。

4) 以上のねらいを踏まえ、情報化や科学技術の絶えざる進展のなかで、変化する環境に対応し、主体的に学ぶ意志・態度・能力などからなる自己教育力を身につけさせること。

5) 教材・教具・情報・施設・人材・

環境等の教育をとりまく各種の資源を有効に活用するため、児童生徒の発達段階や学習課題に応じてそれらを体系的に利用することができるようにし、児童生徒にとっては、将来の高度情報化社会に生きていくための基礎的能力を獲得させ、教師にとっては、その能力を児童生徒に身につけさせるとともにそれらに関連した職務遂行能力の体得・充実を目指すこと。

 

三、コンピュータ等を学校教育に生か

 

 

 


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